INTERVIEW

BugLug

取材/文:なるまゆか   公開日:2013.03.19

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―― なるほど。では1枚ずつお話を聞かせてください。まず「R.I.P」。

一聖:「R.I.P」は今までのBugLugの延長線上でありながら、BugLugの第二章の始まりの曲でもあるんです。「KILLER×KILLER×KILLER」で“自分をぶっ壊そう”っていう歌詞を書いて一旦自分の世界を壊したんですけど、「R.I.P」は、「はい、世界のおしまい」っていう歌詞から始まって、ここから「KILLER×KILLER×KILLER」で終わった世界がまた動き出す、また新しい始まりを迎えるんだっていう歌なんです。

―― 「何を持って生きよう」ではなく「何を持って死のう」。

一聖:生き方が変化したんでしょうね。見え方が変わったというか。「何を持って生きよう」が正しいのかもしれないけど、考え出したら難しくてわからなくなってきちゃったんですよ。だったら“死”という人間のゴールから考えた方が今の生き方が見やすくなるかなって。こうやって死を迎えたい、じゃあそのために今何をすればいいのか、そういう考え方です。

―― “死”は意識したうえでの“生”。

一聖:普段意識してるつもりはなかったんですけどね。この曲を書いてみて死を意識してる自分に気付きました。

一樹:「R.I.P」は詞がホントに突き刺さるんですよ。聴いた人に伝えたいっていう気持ちが強い曲だし、明日への希望というか、明日からの生き方の可能性を広げてくれる曲だと思います。

:「R.I.P」はサビのメロディも突き刺さるのでBメロからの持っていき方を意識して弾きました。歌詞も共感できる部分が多いし、考えさせられることが多いので詞もしっかり読んでもらいたいですね。

将海:この曲は勢いのある曲で、疲れてるときに聴いてもガツガツ来るエネルギッシュさがあるんです。「次に行こう!」っていうエネルギーをくれる曲なんです。

―― 一転、カップリングの「鋏角亜門」はドロドロした異色のラブソング。

一樹:「鋏角亜門」は、最初は運動会っていうイメージで作り始めたんです。

―― 運動会?徒競走みたいに走ってるイメージ?

一樹:小学校の運動会ですね。スタートはそんな感じで、みんなでアレンジを詰めていくうちに今の方向性になったんですけど、俺の中ではバトルソングというか戦闘組曲みたいな感じになりました(笑)。

一聖:そのエピソードを聞くと「なんでこの歌詞になったんだろう?」って感じなんだけど(笑)。

将海:このドロドロ加減は何なんだ(笑)。

一樹:そうだね(笑)。でも原曲から180度変わったし、きっとアレンジで今までになかった新しい一面と艶っぽさが出たからそういう歌詞が生まれたんだよ。小学生が走ってるようなかわいらしい感じからだんだんアングラな世界観が湧きだしていったから。

:「鋏角亜門」はメタル色が強くなったよね。ギタリストが作った曲って感じだし、プリプロが楽しかったですね。あとギターソロもすごく楽しかった。

―― 2枚目は「BUKIMI」ですが、タイトルの通り何とも言葉で表現するのが難しい曲ですね。

一聖:この曲はギターフレーズから作っていったんですけど、イメージはデスメタルなんです。ここまで無茶苦茶な曲になるとは最初は思ってなかったんですけど、BugLugの持ってるコミカルだけどおどろおどろしい部分、怖いとかわいいを合わせた“こわいい”っていうのが表現できた曲です。今までの曲で言うと「ギロチン」に近いかな。何回聴いても飽きない、何回聴いても発見がある、そういう曲になりましたね。

―― この曲は色んな遊びがある曲ですけど、「ラララララ~」のサウンドはティムバートンの世界観ですよね。

一聖:そうですそうです。俺、ティムバートン監督を崇拝していて、だからティムバートン作品のあの雰囲気を出したかったんです。ここのコーラスは楽器陣みんなでやってるんですけど、「もっと不気味に!」っていうオーダーを出してやってもらいました。ラストに入ってる奇声ももちろんメンバーの声です。

将海:コーラスは頑張った。メッチャ叫んだ記憶がある(笑)。

一聖:将海は勝手にモノマネとか入れてくるからね(笑)。

―― アルバムのときも将海さんはコーラスで力を発揮してましたからね(笑)。

将海:コーラスは色々はっちゃけますね、俺(笑)。

―― この曲はガチャガチャした印象があるけれど、その分途中で静かになって楽器だけが入ってくるところが際立ってかっこいいです。

一聖:一気にムーディーな雰囲気になりますよね。

:この曲はダメなことが一切なかったんです。「不気味」って良い言葉なんですよ。ロックにお経が入ってるとか、そういう違和感みたいなものが全部「不気味」っていう言葉に置き換えられちゃう。

一聖:この曲はすべて違和感でできてるんですよ。サビで「ウラメシヤ」って歌うなんて自分でも思ってなかったですからね(笑)。こういう曲をシングルとして出せるのは幸せだなって思いますね。

:これをシングルで出しちゃうことこそ「不気味」でしょって(笑)。

―― 確かに(笑)。カップリングの「迷子CH」も突き抜けてますね。

一聖:「BUKIMI」がこういう曲なのでカップリングも変わった曲にしたかったんです。

:問題作だよ、これ(笑)。

一聖:うん、問題作(笑)。

:この曲はスタジオ入って結構サクッとできあがった曲で、その作り方がさらに曲に勢いを与えたなって思うんです。歌詞も「いくら寝ても眠い。キレそう」がすごい共感できる。

:確かに燕っぽい(笑)。この歌詞、ツイッターっぽいんですよ。ボソッとつぶやくくだらない独り言っていう感じが。

―― 確かに。「テンションが迷子」っていう表現も上手いなって思いました。

一聖:これはパッと思いついた言葉なんですけど、良い意味でも悪い意味でも使えるし、誰でも「あーなんかわかる」っていう表現だと思うんですよね。お酒を飲んでテンションがウワーってなってるときもテンションが迷子だし、落ち込みすぎて悲しすぎて笑っちゃったとか、どこに感情があるのかわからないときもテンションが迷子だし、そういう状況って誰しもが陥ると思うんです。そういうわけのわからない感じには“迷子”っていう表現がピッタリだなって。この曲、メロディはポップだけど歌詞はだいぶ病んでるんです。

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