INTERVIEW

vistlip

取材/文:なるまゆか   公開日:2013.07.17

7月7日に結成6周年を迎えたvistlipが3枚目となるフルアルバム『CHRONUS』を7月17日にリリースする。
“CHRONUS(クロノス)は 時間を司る神のこと。時間は戻せない、それでも人は歩き続けることができる”
  vistlipの持つ独特な浮遊感をまとった個性豊かな楽曲が描く物語は、リスナーに強いメッセージを訴えかけてくる。智(Vo.)とTohya(Dr.)に話を訊いた。

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5人が描く“今のvistlip”

―― ニューアルバム『CHRONUS』、完成しましたね。

Tohya:出来上がりました。

―― 制作はいつからスタートしたんですか?

:これまでは結構ギリギリの進行で苦しんできたので、今回は早めに動こうと思って「CHIMERA」の制作と同時期にアルバムの制作もスタートしてました。

Tohya:去年の秋くらいからスタートしてたのかな。

:そうだね。今回は焦ることなくじっくり制作に取り組めました。まあメンバーによっては「そんなことなかった」って思ってるかもしれないけど。特に海はギリギリだったな。“海待ち”してましたもん。「まだー?歌詞書けないよー」って(笑)。

―― 今回は楽器隊全員が曲を書くということが前提だったそうですが。

:そうですね。せっかくみんな曲を書けるのに、いつまでも全員の曲が1つの作品に揃わないっていうのが悔しくかったから、今回はちゃんと全員の曲を入れようって。

―― なるほど。

:シングル曲を除いて、最低1人2曲は入れようって決めたんです。その2曲に全力投球してみたらどうなるかっていうのを試したかったんですよね。

―― 2曲に全力投球というと?

:何十曲と出た中から選ぶんじゃなくて、最初から2曲って決めて2曲に集中して作ってみたらおもしろいんじゃないかな、それぞれの人間性を2曲に詰め込んだらどうなるんだろうって。駄作なんて生まれない、名曲が生まれるんじゃないかって思ったんです。でも海はそれで苦しんでしまって、結局1曲だけになっちゃったんですけど(苦笑)。

Tohya:そこは僕がフォローして多く書きました。

―― 個性の強い楽曲をアルバムとしてまとめるのは難儀な作業だったのでは?

:今回のアルバムは、「アルバムとして1枚の作品にする」という観点で見ると俺とTohyaの貢献度が高いと思うんです。2人で話をして、レコーディングもほとんど俺らは現場に立ち会って、レコーディングしながら見えてくることがいっぱいあったんですよね。レコーディングした音からだんだんアルバムの完成形が見えてくると「もっとこうしたい」ってアイディアが浮かんで、どんどん貪欲になってくるんですよ。そこで生まれた俺の「こうしたい」っていうイメージをTohyaに伝えてアレンジしてもらうことが今回は多かったですね。

―― アレンジはシンセが肝になってますね。

Tohya:アレンジは僕がトータルでまとめたんですけど、今の時代を音にも反映させないといけないなって思ったんです。やっぱり耳に残るのって、ピアノやストリングス、そういう上物の音なんで、そこを意識しつつアルバムの世界観を活かして4人の曲をまとめるにはシンセの音が最適だったんです。シンセの音って今の時流に乗ってるものだと思うし、今の時代のvistlipの音にできたと思います。

―― このアルバムで強く意識したことって何でしょうか?

:今までは、歌詞は歌詞、曲は曲って、詞と曲が別物として捉えられがちだったんですけど、そうじゃなくて歌詞と曲、一括りで捉えられる作品にしたいと思ったんです。詞と曲が別物として捉えられてしまうのは、詞と曲の一体感がなかったとか、その2つを繋ぐ歌や楽器の表現が上手くなかったとか、様々な要因が考えられるんですけど、それを払拭するにはサウンドのクオリティが必須条件なんじゃないかって思ったんです。それはテクニック的なことではなくて、いかにサウンドから絵が見えるか、音でイメージを伝えられるかってことで。

―― 詞がなくても頭の中で景色が浮かぶような。

:そう。今回俺が一番に意識したのはそこなんです。今回は曲が揃って詞をつけて歌が乗って、その状態で見えたイメージを元にTohyaにシンセアレンジをしてもらうっていうやり方だったんですけど、今まではこういうふうに綿密に練って作るっていうやり方をしてなかったから、やっぱり仕上がりが全然違って。曲、詞、演奏、歌の一体感、そこに注目してほしいですね。

―― なるほど。

Tohya:今までも自分で作曲した曲は最終形をイメージしながらちゃんと段階を踏んでアレンジできてたんですけど、他のメンバーが作曲した曲は、例えばYuhの曲だったら「ギターで持っていきたいから余計なシンセの音は入れてほしくない」とか、やっぱり個々の意見があるからなかなか自分の中でイメージを膨らましづらかったんですよね。でも今回はいつもと違って、CHRONUS(クロノス)というコンセプトのもと、骨組みができた曲を何度も聴いてイメージしてアレンジしていくっていう流れだったので、「この音を乗せたら曲があんなふうに広がっていくな」とか想像しながら、楽曲の世界観を把握してアレンジできたんです。よりその曲の可能性を広げられましたね。

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