INTERVIEW

グリーヴァ

取材/文:なるまゆか   公開日:2013.11.06

グリーヴァのニューシングル「グリーヴァ VS GRIEVA」。両A面シングルの本作はタイトルの通り、古き良き時代の継承者であるグリーヴァと彼らが“現代進化型”として打ち出したGRIEVA、異 なる2つのバンドの楽曲が並んでいる。彼らがこの2つのバンドで見せたかったものとは何なのか、そして現代進化型を経て見えた古き良き時代とは。

INTERVIEW > グリーヴァ  (1/3)

現代進化型を経て見えた古き良き時代

―― ニューシングル「グリーヴァ VS GRIEVA」にはグリーヴァ、そしてGRIEVAの楽曲が収録されていますが、この2つの違いを教えてください。

狂鬼:グリーヴァは古き良き時代の継承者というコンセプトで活動していて、楽曲も90年代のヴィジュアル系をイメージして作っているんですけど、そんな俺たちが現代のヴィジュアル系の音楽をやってみたらどうなるか、今回のシングルはそういう実験的な作品なんです。GRIEVAは“現代進化型グリーヴァ”ですね。古き良き時代と現代、その2つの対比がテーマになっています。

―― 90年代型と現代型という解釈でいいですか。

狂鬼:はい。

―― 90年代と現代のヴィジュアル系、みなさんはどのような違いを感じていますか?

:90年代の音楽って今みたいに同期に頼らずに生のサウンドのみで勝負していてかっこいいんですよ。最近の音楽は、同期を使って色々な音とバンドサウンドを混ぜてグルーヴを生み出していて、それはそれでかっこいいんですけど、ドラム、ベース、ギター、ヴォーカル、それだけでストレートに勝負してる昔の曲はホントにかっこいい。真っ向勝負って感じで。

狂鬼:90年代は激しさが前面に押し出されてる印象があって、ジャキジャキした刺さるサウンドっていうイメージが強いですね。

琉碧:90年代の曲は雰囲気のある曲が多くて、声も気味が悪くて、おどろおどろしい感じがあって、いわゆる“ヴィジュアル系”のイメージ。

:そう。90年代のヴィジュアル系は、薄暗い、妖艶な雰囲気があって、歌声も独特。

狂鬼:最近の曲はギターのリフに歌が乗るっていう感じで、シャウトの種類も増えて昔より表現方法が多様になった気がしますね。

琉碧:ドラムも、バスの音が前に出てくる曲が増えたと思うし、昔と比べるとドラムが埋もれてない、力強く前に出てくる曲が多いと思います。

:時代と共にだんだんヴィジュアル系という枠のなかで音楽性の幅が広がっていって、ポップだったり歪んだロックだったり、色々な曲調になったじゃないですか。その結果、昔のヴィジュアル系らしいヴィジュアル系の曲が少なくなってしまったなって感じるんです。

緋雨:ヴィジュアル系って音楽のジャンルではなくて、見た目が派手ならヴィジュアル系だって思ってるんですけど、そう思うようになったのって、色々な音楽性のバンドが増えたからなんですよね。音楽的には何をやってもいいんだって思ってしまう。でも90年代はヴィジュアル系特有のニオイがあったんですよ。僕はそういうところが好きで、グリーヴァでは古き良き時代の音楽を継承していきたいって思ってます。

―― 90年代の古き良き時代の音楽をやってきたみなさんが現代進化型の GRIEVAとして演奏するとなると意識的に変化する部分もあると思うんですが、プレイ面での変化はどういうところでしょう?

琉碧:ドラムはとにかく手数が多いです。ずっとタム回しをしてるようなイメージですね。今の曲は昔と比べると複雑なフレーズを使っていると思うのでそういうプレイになりました。あとさっき話したバスの音を前に出すことを意識しました。

緋雨:昔のベースは、ビキビキ、ベケベケ、そういう動くフレーズでキャッチ―な音が多いんですけど、最近のヴィジュアル系はメタル、ラウドっていうイメージがあって、そっちに寄せたバッキバキなベースにしました。…擬音ばっかりですみません(笑)。

―― いえいえ(笑)。狂鬼さんはどうでしょう?

狂鬼:デスボイス、ホイッスルボイスって昔はなかったと思うんですよ。なので、あえてそれを現代型ではふんだんに取り入れてみました。あと最近の曲はハイトーンのイメージがあったので、今までのグリーヴァにないキーの高さにチャレンジしてます。今までに使ったことのないキーです。

:ギターに関してはレンジも音色も低音に寄せて音数も増やしました。男らしいギターというか、ガツンとした音になってます。

―― 「現実は心へ蔓延る絶痛と叶わぬ理想の巣窟」は今のお話にもあったとおりドシンと重さが響く楽曲ですが、アレンジはどのように進めていったんですか?

狂鬼:俺がデモを持って行ってアレンジは全員で詰めていったんですけど、まずは最近のヴィジュアル系がどういうことをやっているか研究するところからのスタートでした。一番大事にしたのはグリーヴァとの違いが聴いてすぐにわかる、変化に気付きやすいアレンジっていうところでした。やっぱりじっくり聴かないとわからないのはコンセプトシングルとしてはダメなことだと思って。「ああ、こういうことをやりたかったんだ」ってすぐにわからないと。

―― 瞬間的に理解できるもの。

狂鬼:そうです。

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