INTERVIEW

MERRY

取材/文:なるまゆか   公開日:2013.11.08

INTERVIEW > MERRY  (2/3)

―― 活動休止が明け、復活の野音。暑さも記憶に残っていますが、本当に素晴らしいライヴでした。

ネロ:5年振りの野音だったんですけど、今回も良い景色が見れましたね。12年続けてきたからこそ見れた景色。「メジャーデビュー後の野音では何を考えてたかな」ってふと思い返してみたんですけど、あの頃は「ライヴハウスと違って席があるから温まるまで時間がかかるから頑張らなきゃ」って言ってたんですよ。今はもうそんなこと思わなくなりましたからね。スタンディングでのホールでもどこでも自分たちのスタイルが見せられるバンドになれたなって。

結生:ライヴに来てくれた人たちには伝わったんじゃないかな。「MERRYは心配ないよ」って。それだけいいライヴができたと思います。

―― ガラさんはMCで「まだ骨がくっついてない」とおっしゃってましたが、そんな状態でステージに立つことに不安はなかったんですか?

ガラ:野音は、俺にとってもMERRYにとっても特別な、大切な場所で、復活の場所を野音に決めたときから「どんな状態でもどんな状況でも俺はここに立って歌うんだ」って思ってたんです。野音を目標にリハビリしてたし、当日はワクワクしっぱなしでしたよ。早くステージに立ちたかったし、誰もいない客席を見ながら「あと数時間後にはここがいっぱいになるんだな」って想像してメチャクチャ興奮したし、リハのときから嬉しくて仕方なかった。あの日のライヴは忘れられない。本当に最高でした。

―― 野音は、ありのままの姿、そんな印象でした。

ガラ:この活動休止期間にMERRYを客観視できたことで肩の力が抜けたんです。メイクしていてもしてなくても、そこに自分がいて自分の意志があればそれでいいんだって思えて。あの日、新しいMERRYを見せたい、何か新しいことをしたいって思ったから、靴を履いてステージに出たんですよ。そしたら意外とみんな気付かない(笑)。もちろん復活っていうのがあったからそこまで細かい部分に目が行かないっていうのもあったとは思うんですけど、何年も裸足で歌うことにこだわってたのに、みんなそんなに意識していないことだったんだな、自分がこだわってきたことって実はたいして意味のないことだったんだなって。

―― 今までは“MERRYのガラ”に縛られていた?

ガラ:自分で勝手に縛っちゃってたんでしょうね。それがほどけたわけじゃないんです。じゃないんですけど、色々なことやってみて、それがもしダメでもいいじゃんって思えるようになった。今は、俺にはNGはないって思ってますね。

―― 自由になった。

ガラ:なりましたね。たぶん本気でヤバかったら周りが止めてくれると思うんですよ。

―― 止められるまではやりたいようにやろうと。

ガラ:うん。ホントに今はそういうモードです。

結生:俺も今ガラが言ったことがしっくり来るんです。12年バンドを続けてきた間にできていたルールというか、固められてしまったものっていうのがやっぱりあって。それを取っ払って考えられるようになったから今のMERRYはすごく自然体なんです。たぶん今が一番リアルなMERRYですよ。バンド本来の姿というか。それで勝負できるようになったのは、バンドを続けてきたことと、この活動休止の半年があったからで、今までの凝り固まったものを捨てた分、今は吸収のしかたもハンパないです。

―― やはり「捨てた」という意識が強いですか?

結生:意識的に捨てたというよりは結果的に捨てられたっていう感じですね。余計なことを考えずにがむしゃらに走れるようになった気がします。

ガラ:考えてみたらMERRYの初期ってNGなことってなかったよね。

結生:うん、なかった。

ガラ:ダサいからかっこいいとか、人がやってないことをやろうとか、自分たちがおもしろいと思えば周りからどう言われようと関係なかった。

結生:それがだんだんずっと続けていくと、色々な情報が入ってきて、「やっぱり違うのかな」、「こうしたほうがいいのかな」って考えすぎて、固まっていってしまった部分があって。

―― そこから解放されたんですね。

結生:そうですね。

―― 自然体、本来の姿になったMERRYが打ち出した「ZERO -ゼロ-」は先程、結生さんがおっしゃっていた「原点回帰」の想いが詰まった作品ですね。

ガラ:この歌詞は入院していたときにノートにメモしていた言葉を繋ぎ合わせて書いたんですけど、それって今しか書けない言葉じゃないですか。でも「梟」のときと言ってることって実は変わってないんですよ。「上を目指したい」、「光を浴びたい」、今までにもあったそういう感情が、入院、手術という経験を経てそれまでとは比べ物にならないくらいリアルに自分の中に存在するようになって、そういう状態で歌うとこんなにいい歌が歌えるんだなって自分で満足できるくらい、いい歌が歌えたんです。今まで出した曲のなかで一番満足してますね。

―― 想いがより強くなったんですね。

ガラ:今までは「光を浴びたい」っていう願望だったのが、「光を浴びせろ!」って自分の強い意志で奪い取りに行くくらいの気持ちで、ホント貪欲になってます。活動休止をマイナスの出来事にはしたくなかったから、「これはマイナスじゃない、ゼロに戻っただけ、第二章が始まっただけ」、そういう意志の現れなんです。

―― 今までのストーリーの続きというより、新しい物語の幕開け、そんな印象です。作曲はネロさんですね。

ネロ:この曲には大きなテーマが2つあったんです。1つは復活第一弾シングルに相応しい曲であること、もう1つは、これまでにもらったたくさんの刺激を反映させた曲であること。MERRYとして譲れない部分はそのままに新しいエッセンスを加えて、肉付けして削ぎ落として、今の形になりました。

―― 「ZERO -ゼロ-」はギターがすごく前に。

結生:出てますね。ギターを前に出すことが決まったときに、一番前に出る音から録ることになって、ギターからレコーディングしたんです。ギターを自由に弾いたあとにベース、最後にドラムを入れるっていう変則的な作業で、すごくギターが生きた仕上がりになりましたね。

―― レコーディングからギターありきだったんですね。

結生:強いメッセージが込められた曲なんで、一番はそのメッセージですけど、たぶんその次にギターの印象が強い曲になりましたね。ネロの曲はギターがメインのものが多いんです。

ネロ:リードギター命ですから。俺、バンドを好きになると、ドラマーと同じくらいギタリストも好きになるんですよ。D’ERLANGERも、師匠であるTetsuさんはもちろんCIPHERさんも大好きで。印象的な音なんですよね、ギターって。

ガラ:俺も曲を聴いたときにかっこいいって思うのはギターの音で、ギターのリフにはこだわってるんです。ネロのドラムが派手だからリズムで乗せるバンドって思われがちなんだけど、MERRYってギターが肝だと思うんですよ。

結生:イントロのギターは俺らが昔から大事にしてるところ。

ネロ:リフバンドだよね。

ガラ:そう。でもライヴだとリズム隊が前に出がちで、ギターがもっとおいしくなればいいのにって昔から思ってたんですけど、この曲で新しいMERRYの形ができたんじゃないかな。やっぱりMERRYは歌とギターで乗せるバンドだと思う。

前のページ (2/3) 次のページ