INTERVIEW

IKUO

取材/文:なるまゆか   公開日:2014.02.28

INTERVIEW > IKUO  (2/4)

―― IKUOさんのトレードマークでもある赤い髪にはそういう理由があったんですね。

バンドマンが赤い髪をしてるのは特別珍しいことではないけど、サポートミュージシャンで髪が赤い、バックバンドで目立つ髪色のやつがいるっておもしろいなと。ソロになってバンド時代よりヴィジュアル系っぽくなったっていう(笑)。バンドならその時々のバンドのイメージで髪色を変えたりメイクを変えたりしてもいいけど、僕はソロだから貫かなきゃいけないと思ってずっと赤髪にしてます。10年間1人でやってきたプライドがありますからね。その表れが赤い髪。赤は決意の色なんです。

―― なるほど。

ソロだと全部が自分のせいなんですよ。実は僕、一度JAM Projectを外されたことがあって。でもそれもやっぱり原因は自分で、自分のテクニックが追い付かなかったからだと思ってすごく反省したんです。JAM Projectはそのあとまた誘ってもらって参加したんですけど、そうやって改めて声をかけてもらえたのが自分の成長の証に思えてすごく嬉しくて。その間にT.M.Revolutionとか色々な現場を経験していたから、それを認めてもらえたような気がして自信になりました。

―― T.M.Revolutionのサポートは今やIKUOさんのホームのような場所ですよね。

そうですね。これも出会いだったと思うんですけど、僕、バンド活動休止期間に六本木PIT INNに出てジャズセッションをやったんですよ。たまたまそういう機会に恵まれたんですけど、PIT INNといえばジャズ、フュージョンの殿堂と言われる由緒正しきライヴハウスじゃないですか。今思うと金髪でメイクしてPIT INNに出たなんて場違いもいいとこなんですけど(笑)。そこで菅沼孝三さんや則竹裕之さんという憧れの人たちと共演できて、長谷川浩二さんや柴崎(浩)さんともPIT INNで知り合ったんです。PIT INNの店長の小野さんという方を介して柴崎さんと知り合ったんですけど、そのとき柴崎さんはT.M.Rのサポートをやっていて、ちょうどベースの人がやめるタイミングで僕を後任に推薦してくれたんです。そのきっかけをくれた柴崎さん、小野さんも僕にとってキーマンで、もし出会ってなかったら、と思うとちょっと…いや、だいぶ怖いです(笑)。

―― 出会いが繋がって今のIKUOさんがあると。

うん、そう思います。バンドを離れて音楽をやめてしまう人もたくさんいたし、僕は恵まれていたと思いますね。1人で頑張ろうと思えたことがやっぱり大きくて、そう思えたのは演奏、技術に自信があったからなんですよね。「ベースで食べていく」っていう意識が本当に強かったし、頑張って練習してきてよかった。仕事が来なくなることに対する不安はあったけど、なんだかんだ上手く流れに乗れてたなって思いますね。

―― IKUOさんは人にしても仕事にしても「拒まない」という印象があります。

そうですね。断ったことはないです。いただいたお話はどんなにスケジュールがキツくても、どんなにギャラが安くてもやりました。ミュージシャンとして安く見られる、軽く見られる、そういうリスクを考える人もいると思うけど、僕は一切ないんですよ。呼んでもらえること、自分の音が世に出ること、お客さんの前で演奏できること、それが嬉しいんです。今もこれからもその考え方は変わらないですね。

―― その結果だと思いますが、今回インタビューをさせていただくということで取材ノートにIKUOさんのキャリアをまとめようと思ったんですけど、あまりに色々なことをやられていてまとめきれませんでした(笑)。

アハハ(笑)。断ってないからこれだけ広くなっちゃってるんでしょうね。

―― IKUOさんの唯一のこだわりはベースを持つということだけですよね。

うん、その通りですね。ベースってジャンルレスだと思うんです。チョッパーなんて昔はファンク、フュージョンでしかなかったのに、今はロックでも普通にやるし、色々な音楽から影響を受けてそれをそれぞれのジャンルに落とし込む、そういうところがベースのおもしろさだと思う。僕がやっていることは幅広い印象があるかもしれないですけど、僕にとってはすごく自然な形なんですよね。自分で歌うようになっても歌だけにはなりたくなかったから、ベースを持って歌う、これが僕の譲れないところだったんです。ヴォーカリストじゃなくてあくまでベーシスト。そのこだわりは最初から変わらないです。

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