INTERVIEW

MERRY

取材/文:なるまゆか   公開日:2014.12.26

  MERRYのニューアルバムが3年5ヶ月振りに世に放たれる。
  3年前、10周年という節目を迎え、そこから新たに歩き出したMERRYには、予想だにしない出来事がたくさん待ち受けていた。絶体絶命のピンチを味わい、苦しみ、もがき、それでも彼らは再起し、覚悟を持ってMERRYで在り続けた。
  「NOnsenSe  MARkeT」と名付けられたこのアルバムにはMERRYが過ごしてきた時間がくっきりと刻まれている。歩き続けたからこそ辿り着けた世界が広がっている。

INTERVIEW > MERRY  (1/4)

「在り続けた証」

―― 待ちに待ったニューアルバムが完成しました。3年5ヶ月振りですね。

ガラ:「群青」をリリースしたときからアルバムを作る話はあったんです。まさかこんなに色々なことが一気にあるとは思っていなくて、3年5ヶ月という時間が経ってしまったけど。当時から思っていたのはライヴを意識した作品にしよう、ライヴに繋がるアルバムを作ろうということでした。

結生:前作の『Beautiful Freaks』という作品が自分たちのなかでとても完成されたもので、そのあとのライヴも『Beautiful Freaks』の曲を主体にやってきて、どんどんライヴへの意識が強くなって。ライヴをするための曲っていう意識がすごく強いんですよ。だから『Beautiful Freaks』より、もっとライヴへの意識の強い作品にしようというのがこのアルバムのスタートでした。

健一:今回このアルバムに入っている曲は、どの曲も聴くとすぐにライヴの景色が想像できるんです。それは激しい曲に限らず。やっぱりこの約3年という時間、MERRYは普通のバンドじゃできない経験をたくさんしてきたから、そういう経験と想いが詰まったアルバムになってます。

ネロ:ガラの手術で活動休止したこと、それからテツさんの事故と、バンドにとって大きな試練が2つもあって、当時は「ピンチをチャンスに」なんて言っていたけど、他のバンドが順調に活動しているのを見て、「なんで俺たちだけこんなことになっているんだ、なんでこんな思いをしなきゃいけないんだ」って腐ったこともあったんです。でもよくよく考えてみると、順調に活動していたらできない経験がたくさんあったってことなんですよね。今年は4人で立った「THE ZOMBIE ~地獄に堕ちた野郎ども~」のツアーがあって、そのあとにムックの3マンツアーに参加して。この2つのツアーは4人にとってとても大きかったし、テツさんも「THE ZOMBIE ~地獄に堕ちた野郎ども~」のときに初めて4人のMERRYを生で見たんですよ。これはテツさんにとって大きな出来事だったと思います。

結生:今年のツアーはどれも実のあるもので、このツアーで得たものは本当に大きくて。14曲それぞれ、この3年間に得たものがきちんと形になった曲だと思います。

―― 『NOnsenSe  MARkeT』を紐解いていくなかで、今作のタイトル曲「NOnsenSe  MARkeT」が「群青」と同じMERRYクレジットであることが1つの鍵だと思いました。

結生:そうですね。「NOnsenSe  MARkeT」は今回の収録曲のなかで最後にできた曲なんです。「群青」は10周年という節目があってそこからまたMERRYとして新たに踏み出す一歩目のシングルだったんですけど、あのときも何か足りない、もっとこれからの核になるMERRYの曲が欲しいと思ってみんなでゼロから作ったんですけど、今回も、このアルバムの核になる曲、象徴する曲が欲しくて。

ガラ:ずっとアルバムのキーワードになる曲が欲しいって思っていたんですよね。アルバムを作りながらみんなで「MERRYって何なんだろうね?」って話していたときに出てきたキーワードが「ナンセンス」だったんですけど、「ナンセンス~」なのか、「~ナンセンス」なのかとかずっと話していくなかで「ナンセンスマーケット」というワードが出て。そこから世界が広がって、「MERRYのデパートがあったら何が売ってるんだろう?どんな施設が入ってるんだろう?」って考えて歌詞を書いて、「これで曲作って」って殴り書きの歌詞を渡して。

結生:ちょうどイベントライヴで地方にいたときだったので、ホテルの部屋で健くんとネロと3人で籠りました。

―― 「群青」のときも確かlynch.との2マンツアー中のホテルでしたよね。

結生:そう、一緒なんです。ホテルに籠る前段階としてまず移動の車の中があったんですけど、車の中でみんなで曲の相談をするって、なんかバンドの初期段階って感じですごく懐かしくて。

ガラ:ああ、そうだったね。俺以外の3人が同じ車で移動してたんだ。3人に振るだけ振って俺はスタッフと一緒に別行動(笑)。3人がその移動タイミングで曲の相談してたなんて全然知らなかった。全員が同じ車で移動してそこで曲の相談をするって、ホント、バンド初期の感じだよね。

結生:うん。こういう作業は大事だと思う。全員でイチから作るのはこれからもたまにやっていきたいですね。

―― 最新のものと一番古いものに挟まれてる曲順も憎いです。

結生:その2曲を頭と最後に置くことでこのアルバムがきちんと整いましたね。

ネロ:挟まれた間の曲たちはこの3年、俺たちが挑戦してきた証で、この曲たちを締め括れる強い曲が「NOnsenSe  MARkeT」。本当にギリギリだったけどMERRYのマーケットの1フロア目にこういう曲を持ってこられて、粘ってよかったです。まあまさか旅先で作ることになるとは思ってなかったけど(笑)。

ガラ:東京に帰ってから言ってもよかったのかもしれないけど、これはすぐに言わなきゃダメだと思ったから。そのときすぐに言わないとダメなことってあるじゃないですか。

―― ありますね。鉄は熱いうちに~じゃないですけど、熱を持っているときに伝えないとダメなときがあります。

ガラ:歌詞といっても、どれがサビでどれがAメロとか、そんなのは全然なくて、文字数もバラバラだし、俺が衝動的に出てきた言葉を書いただけ。だから曲もあまり練り込んでほしくなかった。言葉のインスピレーションで、初期衝動で作ってもらいたくて。

健一:冒頭の「極東ナンセンスマーケット」っていうのはこのときもうできていて、このワードがすごく印象的で、すぐにアイディアが広がったんです。言葉という指針があったのもあるけど、やっぱり13年一緒にやってきてるから3人とも思うことが近くて。

結生:最初に出てきたイメージはスカだったんです。ンチャンチャっていうところが残ってるんですけど、最初のインスピレーションは大事ですね。

健一:迷走することなくスムーズにできたんです。

結生:「群青」のときもそうだけど、イメージを共有できているから作業は悩まずサクサク行きました。

―― 「NOnsenSe  MARkeT」の持つ強さはまさしくこのアルバムの肝になったと思います。

ガラ:アルバムタイトルと同じタイトルの曲って結成から13年経って初なんですよ。今まではアルバムタイトルがあってその大きな冠の中に曲があるっていう形だったので。今回はアルバムタイトルを付けてもいいくらいパンチのある曲ができてよかったです。

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