INTERVIEW

MERRY

取材/文:なるまゆか   公開日:2014.12.26

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―― ただ、ライヴという意識で考えると次の「「東京」」がリード曲でも十分よかった気もします。

ネロ:鋭いですね。当初はその予定でした。

―― 「「東京」」、メチャクチャかっこいいですもん。

ガラ:そこなんですよ。かっこよくなっちゃうんです。もちろんかっこいいのはいいことだと思うけど、久しぶりのフルアルバムだし、MERRYらしい、俺らにしかできないもの、俺らだからこそできるもの、それを示せないと意味がないな、と。

―― なるほど。この「「東京」」は、夢は叶っていない、でも東京に居続ける、そんな人物が主人公です。

ガラ:「群青」「梟」「ZERO -ゼロ-」は諦めないで頑張っていこうという歌なんですけど、「「東京」」はそれを全否定するくらいの歌詞なんですよね。夢や希望を持つことは大事だし、そういうことを歌ってきた曲もたくさんある。でも、ふと、「夢は叶う」なんて、夢を叶えられていない俺が言えることじゃないと思って。夢を叶えるために努力をしているっていうところに美学を感じているのかもしれないけど、夢が叶う人なんてほんの数パーセントなんですよ。夢は叶わないから追っている気がするんです。

―― 夢は夢のまま…。

ガラ:もしかしたら夢って叶えるものじゃなくて、掴みにいってもいいし、奪ってもいいし、買ってもいいものなのかもしれない。叶えようとすると裏にある汚さも見えちゃうじゃないですか(苦笑)。俺も昔は夢を聞かれると「メジャーデビューしたい」とか言ってたけど、メジャーデビューできたら「もっと大きな会場でライヴしたい」とかどんどん膨らんでいって際限ないんですよ。人間は欲深いからどんどん夢が増えていく。

―― 確かに。

ガラ:「夢は叶う」って歌っている人たちはたくさんいるから、だったら俺は、弱い人たちの代弁者というか、叶っていない人間の代弁者でありたいと思うんです。夢は叶っていないけど何かあるかもしれないから、なんだかんだ好きだから東京にいるんだよねって。

―― 「「東京」」にしても「自意識過剰型木偶人間」にしても、弱さを吐露する歌詞というのが印象的でした。

ガラ:そういうモードだったんでしょうね。「「東京」」は書くのに1ヶ月くらいかかったし、「千代田線デモクラシー」なんて2ヶ月かかった。今回歌詞は本当に悩みましたね。「自意識過剰型木偶人間」だけはあっという間に書けたけど。俺、やりたいことないけど、それでもいいよねって。

―― そんな俺でも愛してよ、と。

ガラ:そう。最後は女々しいんです(笑)。俺らしいですよね。自分で書いてちょっと笑っちゃいましたもん(笑)。今しか書けない歌詞ですよ、これ。そういうのも曝け出せるようになったんです。今回、歌詞に集中したい、言葉を残したい、そういう俺の気持ちを尊重してメンバーもスタッフも協力して俺が歌詞に集中できる環境を整えてくれたんです。曲タイトルも今回はメンバーが考えてくれたものがほとんどなんですよね。

―― 今までのMERRYだと、タイトルも歌詞もガラさんが考えて、MERRYの世界はガラさんが作っていましたもんね。

ガラ:そう。でも今回俺が付けたのはシングルの3曲と「「東京」」くらい。「Unreachable Voice」や「Hide-and-seek」は俺からは絶対に出てこないタイトルですから。それもまた俺の新しい扉を開いてくれた気がするんです。今までの型にはまっていた自分を捨てるところから始めて自分を見つめ直して、容量が増えたと思います。タブーとかNGとかないですもん。とにかく俺たちを見てくれっていう気持ちだったんです。そういう部分も5人で共有して作れた初めてのアルバム。バンドのアルバムができたなと思いますね。

―― なるほど。前半戦、「ZERO -ゼロ-」までのスパーンとした流れが本当に気持ち良くて。そこから「暗闇にピンク」をきっかけに踊るモードに入ります。

健一:「暗闇にピンク」は、できあがったのが最後の方で、「NOnsenSe MARkeT」の前くらいかな。ほとんどの曲ができあがって、あとどんな曲が必要かなっていうところから生まれた曲なんです。ローテンポで暗い雰囲気があってもいいかなと思って作ったんですけど、当初作っていたものよりかなり明るくなったんですよ。

―― 自然と体が動く曲になりましたね。

健一:1回ライヴでやったんですけど、すごくいいスパイス的な立ち位置の曲になったなと思いました。

ガラ:俺と結生くんで交互に歌うっていうのも新しいですからね。

結生:たぶん俺が歌ってなかったら雰囲気重視のもっとドロドロした曲になってたと思うんです。俺が歌うことにより、いいのか悪いのかわからないですけど、なんかパーティーっぽくなったんです。俺が歌うとクールにはならない(笑)。

―― それは声質的に?

結生:たぶんそうだと思います。

ガラ:レコーディングのとき、俺に寄せてきてる疑惑があったよね?(笑)

結生:それはキーが低かったから似っちゃっただけ(笑)。

ガラ:この曲は結生くんが歌いやすいようにキーを下げたんですけど、録った歌を聴いたらどっちがどっちだかわからなくて、ディレクターさんに「分けてくださいよ」って言ったんです。そしたらディレクターさんが「結生が寄せてきてるんだよ」って(笑)。

結生:寄せたわけではないんだけど…(笑)。ライヴだとすごくおもしろい絵面でしたよ。新しくて。

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