INTERVIEW

Yeti

取材/文:なるまゆか   公開日:2015.06.10

INTERVIEW > Yeti  (2/5)

「誰も想像しないようなことをやらないと意味がない」

―― 異質さ、そしてJ-ROCKというワードが出ましたけど、曲にしてもライヴにしてもYetiはヴィジュアル系という括りになるとかなり異色だと思うんです。

:たぶん、僕たち各々が前にやっていたのがヴィジュアル系だから、ヴィジュアル系の棚に置いてあるだけで、僕が中高生だったらYetiをヴィジュアル系だとは思わないですよ(笑)。正統派なヴィジュアル系バンドは他にたくさんあるから、そうじゃない違うものとしてYetiを見てくれたらそれでいいと思います。異色なものとして扱ってくれれば。

Bikkey:ヴィジュアル系でやっている意識はあまりないかもしれないですね。周りからそうカテゴライズされているだけのような気がする。

:諸先輩方が築き上げたヴィジュアル系に憧れてバンドを始めたのは間違いないので、僕たちはこのシーンを愛しているんです。でも、このシーンは年齢層の幅が狭くて閉鎖的。そこが魅力でもあるけど、自分が大人になるにつれ、それを壊していきたいなと思うようになったんです。狭くて小さな部屋もいいけど、自分のサイズが大きくなって、もう一部屋欲しいなとか、トイレとお風呂は別がいいなとか、欲が増えてきて。先輩たちもきっとそれまであったものを壊して、そこから新しいシーンを築き上げたと思うから、歴史にあやかって人生を全うするよりも、先輩たちを見習って壊していかないといけないなと。ヴィジュアル系しか聴かないと決めてる子とか、ポピュラーな言葉使いのものは好きじゃないとか、僕にもそういう時期があったから、気持ちはよくわかるけど、そういう子たちに、こういうかっこいい音楽もあることを知ってもらいたいんですよ。

―― ヴィジュアル系を聴いていない人にアプローチをしてこっちのシーンに引っ張ろうということなのかと思っていましたが、逆でしたね。シーンのなかにいる子たちに対して間口を広げていきたい。

:リスナーの人たちも音楽が身近に、手軽に聴ける環境で耳が肥えてきてると思うんです。だからシーンのルール通りにやるならバンドを作る価値はないと思うし、ルールに乗っかってやっていたらたぶん5年後にはいなくなってる気がするんです。誰も想像しないようなことをやらないと意味がない。サラリーマンでも、与えられた仕事をただこなすよりも自分で仕事を作っていくほうがおもしろいじゃないですか。やりがいも全然違うと思うし。対バンで異色なほど僕たちはステージ上でニヤけてると思います(笑)。嬉しいんですよね。壁が高ければ高いほうが、差が大きければ大きいほど燃える。

―― Yetiは浮いてナンボだと。

:言うなれば、永遠のアウェイ。ワンマンはこたつのように暖かいホームになるけど、対バンはいつもアウェイ。ヴィジュアル系って見た目だけでカテゴライズされたジャンルだし、言ってしまえば、メディアとかショップが決めているものだと思っているんです。カテゴライズしたほうが紹介しやすいし、わかりやすいし、されることに否定的なわけではないんです。でもカテゴライズされた一部分だけしか聴かないとか、そのなかでしか活動しないってすごくもったいないことなんですよね。ジャンルレスに活動したら、相乗効果で音楽業界が盛り上がると思うし、1つのジャンルのなかにいるとそれなりにかっこよく見えるけど、ジャンル取っ払ってみると実はたいしたことないとか、そういうのは絶対イヤだから。ただ、今やっていることがバンドにとって絶対的な正解ではないと思っているんです。続けていくうちに変化もするし、進化もするし、そのなかで「こういうバンドになった」って周りが評価してくれればいいと思う。

―― Yetiを結成する前からヴィジュアルシーンで活動していて、そのうえで結成されたYetiの音楽性や存在感がすごくおもしろくて、これまでのインタビューでも散々聞かれたことだとは思いますが、やっぱりこのシーンでYetiがどうなっていきたいのかっていうのは気になるところでした。

直紀:ずっとこのシーンにいたからこそこういうバンドになったんだと思いますね。前のバンドの解散を経験しているからこそ、それまでと同じことをやっても先は見えてるし、バンドを続けるために、長くやっていくためには何をしなきゃいけないかがわかっているからこそ、こういうバンドになったんだと思う。

:それは一理ある。乗っていた車がダメになって廃車になって、また同じ車種に乗る人って少ないんじゃないかな。これを機に今度はこういう車種に乗りたいとか思うはずだし。

―― なるほど。

:僕たちみんなヴィジュアル系が大好きだけど大嫌いなんです。好きでずっとやってきたからこそ見えなくていいものも見えてきたし、まだまだシーンは未完成だなと思う部分もたくさんあって、不安定だし、ふわふわしてるバンドも多いし。

―― Yetiはブレませんね。

:ブレたら僕たちの魅力一切なくなりますから。

直紀:ブレてきたら即解散ですよ(笑)。

:そうなったら僕は沢村くんと2人でユニットやる(笑)。

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