INTERVIEW

LEZARD

取材/文:なるまゆか   公開日:2015.12.16

7月に1stアルバム『トカゲッチュ』をリリースし、10月には品川ステラボールでのワンマンライヴを成功に収めたLEZARDが、12月16日にニューシングル「かくれんぼ」をリリースする。
このページを見てそのヴィジュアルの変化に驚いた人も多いだろう。「テヲクレパンダ」でパンダに、「ハナサカジンセイ」でおじいちゃんに、『トカゲッチュ』でヒーローに扮していた彼らの姿は、今作には見られない。楽曲も、今までのLEZARDのような遊び心満載の作品とは一線を画す、真っ直ぐな印象が強い作品だ。
グッとシックに大人びたのにはどのような理由があるのだろうか。彼らに今作の真意を訊いた。

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―― 今回の衣装、これまで、おじいちゃんになったりヒーローになったりしていたから、すごく「大人になった」という印象です。

来夢:進化したよね。始動前から見てくれてるから、この俺たちの進化に驚いてるでしょ。

―― はい。とても。

来夢:ヴィジュアル系とは何か、右も左も全然わからない状態で東京に出てきて、わからないまま手探りでとにかく前に走り続けて、色々な世界に触れて、良いこともイヤなことも経験して、それでようやく、最近やっと「これだ!」というものが見つかった気がするんだ。だから今がバンドとしてこういう一面を見せるタイミングかな、と。

―― これまでも成長、進化していましたけど、ここまで大きな変化をするとは。

natsume:3年近くやってきて、自分をどうやって見せていくのが一番いいのかずっと考えていたんですけど、ほら、僕、こういう顔だから、あまりはっちゃけるイメージもないじゃないですか。

―― そうですね。natsumeさんは落ち着いたイメージがあります。

natsume:そういうふうに見られることが多くて、でもLEZARDで思いっきりはっちゃけて、そういう自分もアリだと思ったし、周りから言われるような落ち着いた部分もアリだし、色々な面を見せることで、自分らしさがどういうものかがわかってきた気がしているんですけど、わかってきたことが大きな成長、進化だと思うし、進化をした今だからできる曲、それが今回のシングルだと思います。

―― TACCさんはこないだのアルバムインタビューのときに「やっと物心がついた」という話をしていましたけど。

TACC:僕は正直、こういう曲をやることに不安もあったんです。

―― 今までと違うテイストだから?

TACC:そう。せっかくLEZARDとして物心がついて自分で判断できるようになったのに、それがまた崩れてしまうんじゃないかと。演奏や振る舞い、また模索の時間になっちゃうのかなって。でも物心はちゃんとついていたみたいで。

―― 崩壊はしなかった。

TACC:大丈夫でした。意外とすんなり良いアプローチができて、これまでの経験値が生きるというか、積み上げてきたものは裏切らないことがわかったし、時間をかけてきたからこその今だなと。「かくれんぼ」は今までのLEZARDがあったから生まれたギャップのある曲で、色々な方向からアイディアを出してやってきた土台があるからこそ、シンプルでストレートなこの曲がかっこよく映えるようなバンドになれたんだと思います。

―― LEZARDの前のバンドの頃から公佑さんの曲は聴かせていただいていますが、「かくれんぼ」はその頃の公佑さんの王道曲というイメージでした。

公佑:そうですね。今回は新しい人たちにLEZARDの世界に足を踏み入れてもらいたくて、違う方向を向こうとしたら昔のテイストが出てきました。これまでのLEZARDのイメージで僕らの曲が聴けていない人がいたらもったいないな、と。

―― イメージによる先入観で聴いてもらえていないと感じる?

公佑:LEZARDはアプローチのしかたが独特なバンドで、「テヲクレパンダ」から、よりその傾向が強くなったんですね。ライヴでの振付とか、アイテムとか、どんどんアイディアが出てきたから、それを活かした見せ方になっていたけど、根本はロックだし、メッセージも強い。ただ、そういう部分をしっかり見てくれる人は僕らのファンだけで、対バンで見たとか、名前だけは知ってるっていう人たちは、LEZARDの見た目や雰囲気ですべてを判断している、色物に見られることが多い気がしていて。

―― 遊びの多さがLEZARDの魅力であることは間違いないけど、それ故に間口が広がっていかないような。

公佑:そう。遊びの多いバンドだと思わせたかったから意図的にずっとそうしてきたけど、そのせいで踏み込んで来なかった人が多い気がするんです。LEZARDとはこういうものだ、というのは1stアルバムまででしっかり見せることができたから、今作からは今までと違った新しいLEZARDを見せたいと思って、バンド感を押し出した曲にしました。これまでのイメージで一歩進めていなかった人たちが、この曲で先入観を払拭してLEZARDの内側に入ってきてくれたらな、と。

―― 入りやすいストレートな1曲になったのにはそういう理由もあったんですね。

公佑:僕が今回一番に考えたのはバンド感を押し出すことで、全体のイメージは歌詞とかMVとか他の要素が出てきてから決まるんですけど、来夢はこの曲を聴いて、正統派でストレートなものをイメージしたみたいで、結果的に大人のLEZARDになりました。

来夢:今までは、おじいちゃんになったりヒーローになったりしてたけど、今回はこういう曲調だし、特別なアイディアは一切考えずに、ありのままの自分たちの姿、自分たちの生き様を曲にしたので、スッキリした作品になったと思う。俺にとって大事なことは、良い曲を作ることでも、良い歌詞を書くことでもなくて、それを歌っている人間の生き様、人生、そういうものなんだよね。そういうものが曲に、歌になって伝わっていくと思うから、上っ面で綺麗事を並べて良い歌詞ができましたっていうのはちょっと違うし、積み上げてきたものや経験があってこそ、説得力のある良い歌なんじゃないかな。ヴォーカル、ギター、ベース、ドラム、それぞれの生き様が作品に乗って聴き手に伝わる、それこそがバンドだと思う。LEZARDはそれができるバンドになれたと思うし、だからこそ「かくれんぼ」という曲が生まれたんだよね。

natsume:今までのLEZARDと比べたときに、俺たちがこういうストレートな曲をやる意味というか、この曲が勝負曲になるのはLEZARDだからなんですよね。特別なことや奇を衒ったことはしていないし、言ってしまえば、ごく普通のバンドサウンドだと思うんです。「いつもの」と言われそうな曲なのに、特別な感じを出せるのはLEZARDならではだと思うから、それがこの3年間のLEZARDの存在価値かなと思う。

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