INTERVIEW

ギルガメッシュ

取材/文:なるまゆか   公開日:2011.04.25

ヘヴィなミクスチャー・サウンドが海外でも定評のあるギルガメッシュ。しかし1月にリリースされた最新アルバム『GO』はキャッチーなメロディが主軸となった、これまでの重く歪んだラウドなギルガメッシュとは一味違った作品。そんな『GO』を携えて回った3度目のヨーロッパツアーでのエピソードを訊いていくと、ふと彼らの中にある1つの指針が浮かび上がった。それは「みんなで楽しもう」ということ。自分が楽しめば、その楽しさはみんなに伝わる。ものすごく単純、でもものすごく大切なこと。ギルガメッシュは激しく、熱く、そして優しく、心地良い熱を持ってこれからも歩き続けるだろう。笑顔になれる場所であるために。

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みんなが笑顔になれる場所

―― 今日はヨーロッパツアーのお話をメインにお聞きしたいんですが、そのお話を聞く前にやはり『GO』というアルバムについて聞かないと始まらないと思うので、リリースからは少し時間が経っていますが、改めて聞かせてください。へヴィ、ラウドというイメージが強かったギルガメッシュですけど、『GO』はよりポップになってライト層に響く音作りがされているなと感じたんです。今作のテーマ、コンセプトはどういったものでしょうか?

Яyo:今までのアルバムは毎回アルバムごとに「デジタル+ハードコア」とか、1つのコンセプトを決めて制作してたんですけど、今回はいいかな、と。

―― コンセプトを決めて作るのはもうやりきったと。

Яyo:いや、やりきったわけではないですけど、今回に限ってはそういうコンセプトはなくていいかなって思ったんです。あえてコンセプトをなくしてみようっていうのが今回のテーマで、「こういうの作りたいな」っていうのを素直にやったらどうなるのかなってやって集まった曲ですね。

―― なるほど。今回は何か1つの軸があって、というわけではないんですね。

Яyo:そうですね。ありのままの気持ちを音にしてみようって感じです。

―― ギルガメッシュは弐さん、愁さん、Яyoさんの3人が曲を書いてますよね。

Яyo:そうですね。みんなが書いたものを僕が最終的にまとめる形で曲作りをしてます。

―― それぞれが今回の曲作りで一番意識した点やイメージはどういうことでしたか?

:僕はリーダーなんでライヴのセットリストを任されてるんです。それでセットリストを考えてるときに、ギルガメッシュはへヴィでラウドって印象があるのもわかるんですけど、それだけだと面白みに欠けるというか、同じ曲調ばっかりでも疲れちゃうなって思ったんです。だから曲の幅を広げたいなと思ってて。ライトユーザーに向けて、とかまでは考えてなかったですけど、曲幅を広げてみんなで楽しめたらいいなって思ってライヴで踊れるようなファンクの要素を取り入れたりしましたね。

:俺も愁さんと同じで幅を広げたいなって思って制作しました。へヴィも大好きだけど、今回のアルバムはそうじゃないのかなって気がして、もっとライトでもいいのかなって思いました。

―― へヴィな音を作っていたこれまでにも「ライトでもいい」っていう考えはありましたか?

:ライトなものをやってみたい気持ちはありましたね。もちろんへヴィでラウドっていう自分たちの持ち味は大事にしてますけど、それだけじゃないと思ってたし。

―― それを出せる時期になったってことですね。

:そうですね。

Яyo:気持ちとかやり方に大きく変化があったわけじゃないんです。愁さんがよく言うんですけど曲を作るのって絵日記みたいなものなんですよ。絵日記を先生に提出するみたいに、「僕はこういう曲がやりたい」っていうイメージを書いてみんなに見てもらって作るやり方はこれまでと何も変わってないですね。

―― 左迅さんは今までの曲よりキャッチーな楽曲が上がってきて、それに歌を乗せるとなったときに何か変化はありましたか?

左迅:俺が昔から聴いてきた音楽はポップなものが多かったし、自分たちの曲は重たい曲調が多かったですけどサビのメロディはキャッチーだったりしたんで、軸は変わってないですね。それまでにもあったキャッチーさが前に出て際立っただけって解釈なんで大きな変化はないです。

―― 今回はシャウトも少なくて左迅さんが持ってる声の魅力が発揮されたアルバムだなって思います。特に「再会」はグッと引き込まれました。曲頭の息を吸い込む音もすごく斬新で。

左迅:あそこまで息の音が入ってるのはなかなかないと思いますね。「再会」みたいに歌が全面に出てくる曲って今まではなかったからそれはすごい挑戦だったなって思います。

―― 『GO』が制作された昨年は3本のツアーがありましたが、『GO』がポップでキャッチーながらライヴ感の強いアルバムになったのはこのツアーの影響があると思うんですけど、いかがですか?

:まさしくその通りですね。それがストレートに伝わってるのが「MISSION CODE」って曲なんですけど、バンドの中でおもしろい遊びをしようっていうのを詰め込んだ曲になりました。3本のツアーをやったことで「こういう曲が欲しいね」とか「こういう曲があったらこの曲がもっと引き立つよね」っていう気持ちが生まれて、それを表現したアルバムが『GO』だと思います。

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