INTERVIEW

Angelo

取材/文:なるまゆか   公開日:2012.11.14

昨年、結成5周年を迎えたのを機に、Karyu、ギルという2人のギタリストが加入し5人編成になったAngelo。5人編成になってから2枚目のフルアルバム『RETINA』が11月14日にリリースとなる。昨年リリースした『BABEL』からキリスト教を用い独自の世界観を提示してきた彼らが今作で選んだコンセプトはRETINA=網膜。人間の目に見えている事象はすべて真実なのか、それとも疑うべきものなのか。新生Angeloとして1年が経ち、今、彼らの目には何が見えているのだろうか。キリトに話を訊いた。

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RETINA=網膜に映る世界

―― 5人編成になって1年が経ちましたね。

経ちましたね。5年近く3人でやってきたんですけど、僕の原点なんですよね、ツインギターの5人バンドって。だからギタリストを同時に2人入れたのは、バンドをやり始めたときの原点に戻った感じなんです。ツインギターの5人体制のバンドで音楽をスタートさせたのでそれがとても自然な形だったんです。音楽を作る上でも常にツインギターで考えてるし、3人のAngeloのときも自分でギターを弾いてツインにして音を作っていたくらいで。

―― Angeloが5人になったことでまた昔の感覚に戻ってきた感じはあったりしますか?

それはありますね。今は自由にできる環境だし、怖いものなしでやりたい放題です(笑)。

―― Karyuさん、ギルさんという2人を選んだ決め手は?

「ここ!」っていう絶対的な何かがあったわけじゃなくて、一緒に立って音を鳴らしたときの感覚、5人の状態がよかったんです。言葉で説明するのは難しいんですけど、演奏したときにすごくしっくりきて「この5人なら大丈夫だな」って思ったんです。だから一緒にやっていくうちにそれぞれの魅力がより見えてきたんですよね。決めるときのきっかけは感覚的なものだったけど、「ここもいいじゃん」「あ、ここもいいじゃん」ってあとからどんどん見えてきて。

―― 魅力というと、具体的には?

Karyuは、今でこそいい曲を書いてきて、Angeloのなかで僕との曲との比重も半々になるくらいのソングライターですけど、その才能に僕は最初全然気付いてなくて。彼の前のバンドで曲を誰が書いてるか知らなかったし、正直、ソングライターとしての資質というものに着目してなかった。今、初めて言いますけど(笑)。曲は自分が作るものだと思っていたから、Karyuのことは、ギタリストとして、としか見てなかったんです。ギタリストとして華があるし、一緒に演奏してスタジオに立ったときのオーラとか、ギタリストとしてのセンスを買っていたから、Karyuが曲を作るというところに期待してなかったんです。でもやっていくうちに「こんないい曲書けるんだ」って気付いたんですよ。

―― ギルさんは?

ギルも最初は自分の右側に立ってる雰囲気がいいなと思って決めたんですけど、ギルは音楽理論をしっかり勉強してきたから、僕らが感覚で作った曲を理論的に楽譜に落とし込んだり、理論的にこうなんだって見せてくれる、そういう力を持ってたんです。Karyuもギルもやっていくうちに気付いたことだから、本人がこれを読んだら「そうだったの?」ってショック受けるかもしれない(笑)。

―― 最初は感覚的に決めたことだけど、発見があり、得るものがあり。

最初の感覚って僕にとってはすごく重要なんですよ。その感覚が正しかったんだっていうのが日に日に証明されていってますね。

―― 若いエネルギーは刺激になってますか?

年齢的には僕から見たらもちろん若いんですけど、考え方は2人とも実年齢よりだいぶ老けてますよ(笑)。Karyuなんか、喋ってても僕より年寄りじみたこと言いますからね。僕は「何でもやっちゃえばいいじゃん」っていうタイプなんですけど、Karyuとギルは「いや、でも…」みたいに、現実的というか、慎重派というか。まあそれに対して僕が「ジジイみたいなこと言ってるんじゃねぇ」って言い返しますけどね(笑)。精神年齢でいうとたぶん僕が一番若いです。

―― 8月に行われた『-Angelo Presents-「THE INTERSECTION OF DOGMA」』でも、lynch.、MERRY、Sadie、ギルガメッシュと、刺激的なバンドとの競演もありましたね。

あのイベントは自分に確信が持てたライヴでしたね。Angeloとしてのキャリアで言えば、他のバンドと大差ないんですけど、僕個人として見るとすごく先輩になるみたいなんです。

―― それはやっぱり“キリト大先輩”ですよ。

そういう扱われ方が苦手なんですよ。持ち上げられたりとか(笑)。でも、ライヴをやる前はそういう感じだったのが、ステージに立ってみたらキャリアとか関係なくやれたから、前線で戦ってる同士というか、ライバルというか、同じ目線でできたのがよかったなって思いますね。

―― 最新作『RETINA』は昨年リリースした『BABEL』から繋がったコンセプトを持った作品ということですが。

今作は“コンセプトアルバム”というところをすごくフィーチャーされてしまってるんですけど、アルバム作るときには必ずコンセプトがあるのでいつものアルバム制作と大きな違いがあったわけではないんです。今回のコンセプトは「RETINA=網膜」なんですけど、自分の網膜を通して見えるものは、本当に見たままのものなのか、もしかしたら他の人が見たら違うものなのかもしれないじゃないですか。一つのものを見ても解釈は人それぞれだし、果たしてそれが本当のものなのか、真実なのか、疑うべきものかもしれないし、信じるべきものなのかもしれない。一つの物事は角度や距離によって見え方が違う、そういうことをこのアルバムでは表現したかったんです。

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