LIVE REPORT

ユナイト

取材/文:なるまゆか   公開日:2013.04.05

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UNiTE. 2013 SPRING ONEMAN TOUR
[once live too meaning]
2013.03.29 @SHIBUYA-AX

3月29日、ユナイトのワンマンライヴがSHIBUYA-AXにて行われた。本公演は3月8日の札幌KRAPS HALLを皮切りに、全国9ヵ所を回った「UNiTE. 2013 SPRING ONEMAN TOUR [once live too meaning]」ファイナル公演であり、結成2周年を祝うアニバーサリーライヴでもあった。

定刻を少し過ぎ、客電が落ちる。SEに合わせステージ後方に設置されたバンドロゴがキラキラと煌めくと、それと呼応するようにフロアではオーディエンスが身に付けたケミカルライトやペンライトが色鮮やかに揺れる。メンバーが登場すると歓声が大きくなり、1曲目「starting over」がスタートした。結の声が聴き手の芯を貫くように力強く、楽器陣の凛とした佇まいはとてつもない安心感を与えてくれる。AXのステージはユナイト最大キャパではあったものの、やり慣れたライヴハウス。ホームグラウンドで自由に動き回り楽しそうに笑う彼らの表情が優しく温かい空気を作り上げていた。

結、椎名未緒、LiN、ハクが最前方に勢いよく飛び出した「U-smeh-」、オーディエンスの手拍子で始まった「BadRequest」、初期曲で冒頭を飾ると結が口を開いた。
「今日はツアーファイナルであり、ユナイト2周年のめでたい日です。みんなでユナイトの2歳の誕生日をお祝いしてください!最高の夜にしましょう!」
フロアからは「おめでとう!」の声と拍手が起き、さらに温かい空間となった。

「Kud’」で見せたLiNと未緒の伸びやかで心地良いハーモニー、「Ms. Fabbit」で見せたハクの妖しげな空気を纏ったベースソロ、「可塑性MAGIE」はリズム隊のアクの強いプレイが曲の展開に彩りを加え、この気の抜けない曲の並びも、一味違った、一筋縄では行かないユナイトらしい構成だ。
「Love_Duck_Core_Nothing」のイントロが鳴ると歓声が起こった。オーディエンスもこの曲に対して高い熱を持っていることがわかる。後半で披露された「Cocky-discuS」にも言えることだが、ユナイトの“飛び道具”担当であるLiNの曲が全体の構成に与えるプラスの影響力はとても大きい。ライヴ自体を盛り上げるスパイスになっているのは間違いないし、聴き手の感情を高ぶらせる大きな要因になっている。

前半を締めくくったのは結がソロで魅せた「epilogue」。同期のオケでしっとりと歌い上げ、違った表情を見せる結。歌い終わり拍手の中、深く一礼をしてステージを去ると、瞬間の静寂の後、「grow into UNiTE.」が鳴り、手拍子に迎え入れられてメンバーが再登場。後半戦のスタートだ。
「Meaning」で強いメッセージを伝えると、続く「アポカリプティックサウンド」から激しく畳み掛ける。「Cocky-discuS」でタオルをクルクル回しながら真夏の景色を見せたあと、ガラッと会場の空気を変えたのは「AIVIE」、そして「イオ」だ。メロディの軽やかさと骨太なサウンドの対比を見せつけると結が口を開いた。

「AXのみんな、今日は本当にありがとう。このツアーで色々な場所に行って、初めて行った場所もあって、各地で盛り上がる事が出来て。改めてライヴが一番楽しい場所だって思えました。そう思えたのはみんなのおかげです。本当にどうもありがとう。今日、幸せな気持ちでステージに立てているのもみんなのおかげです。みんなに感謝の気持ちを込めて送ります」
演奏されたのは「クオリア」。ステージ後方から差し込む光と5人の思いの込められた熱い演奏。歌い終わった結は「ありがとう、AX-!」と叫んでステージを後にした。

アンコールはサックス、バイオリンを加えた構成で「life time relation」が披露された。ゆきみのキーボードも普段見ることのできないレアな演出だ。続いて6月にリリースされる新曲「small world order」を披露すると、「こんなもんじゃねーだろ!もっといけるだろ!」と煽って「絶望クリエイター」、「失望エミュレイター」と立て続けに暴れさせた。

「色々なことがあって、もうこれ以上歌えないんじゃないかって思うこともあって、でもそういうときいつもメンバーが支えてくれて、こうやってステージに立てていることが本当に幸せです。俺はこのメンバーとずっと一緒にバンドをやっていきたいし、終わらないバンドっていう目標を絶対に叶えたいって思ってる。そのためにはみんなの力が必要で、これから先どんな景色が見られるかはわからないけど、みんなと一緒に歩んでいきたいと思っています。俺に何ができるかはわからないけど、みんなを幸せにしたいっていう気持ちは誰にも負けない自信があります。みんな俺たちに何かを感じてくれて、好きでいてくれるなら、これからも俺たちについてきてください」

そう言って、大切な1曲「Eniver」が届けられた。結の言葉、そしてオーディエンスの合唱は、グッと込み上げるものがあった。
終わらないバンドで在り続けること。それがユナイトの信条であり、みんなとの約束。未来を見据えて歩いてきたこの2年間は、それぞれに苦難や、時には辛酸を舐め絶望を味わう日もあったかもしれない。しかしそれを乗り越えて立ったAXのステージ。「約束」で見せた、ハクとゆきみの自然に交わしたアイコンタクトや、「AIVIE」で見せた未緒、LiNの動きを揃えたギター回しなど、彼らの動きの一つ一つがユナイトの信頼に満ちた関係性を象徴していて、それを見ながら思い思いに体を動かし笑顔を浮かべるオーディエンスの姿はとても愛おしいものだった。
信頼できるメンバー、スタッフ、そしてユナイトを愛するたくさんのファン。「Eniver」の歌詞、「どれだけ歩けば迷えば辿り着けるだろうか? 僕らにはどうしても叶えたい未来があるから 手を伸ばせども届かない程遠い未来の先だって 君と見れるように」のとおり、彼らが叶えたい未来を大切なみんなと一緒に掴めるように、終わらないユナイトの歩みを傍で見続けていきたいと強く思ったライヴだった。

ユナイトは6月から3ヶ月連続でシングルをリリースする。“椎名未緒原作の物語を各章に分け、三人がそれぞれのアプローチで作詞作曲した三部作”というインフォメーションが指し示すように、これまた一筋縄ではいかないユナイトらしさが詰め込まれているのだろう。3年目に突入したユナイトの動きを楽しみにこれからも追いかけていきたい。

UNiTE. 2013 SPRING ONEMAN TOUR
[once live too meaning]

 2013.03.29 @SHIBUYA-AX セットリスト
1.starting over
2.U-smeh-
3.BadRequest
4.Kud’
5.Ms. Fabbit
6.可塑性MAGIE
7.Love_Duck_Core_Nothing
8.約束
9.cinema verite
10.epilogue
11.grow into UNiTE.
12.Meaning
13.アポカリプティックサウンド
14.鳥籠好餌責務-TORIKAGO like obligation-
15.world wide wish
16.Cocky-discuS
17.AIVIE
18.イオ
19.クオリア

EN
1.life time relation
2.small world order
3.絶望クリエイター → 失望エミュレイター
4.Eniver