LIVE REPORT

MUCC

取材/文:なるまゆか   公開日:2013.04.10

LIVE REPORT > MUCC
ムック「MUCC Tour 2013 "Shangri-La"」
2013年3月31日@NHKホール

昨年12月に行われた「MUCC Tour 2012 “Shangri-La”」東名阪公演を経て、今年2月からスタートした「MUCC Tour 2013 “Shangri-La”」が、3月31日、NHKホールでついにファイナルを迎えた。昨年11月にリリースされたアルバム「シャングリラ」を引っ提げて行われた今回のツアー。これまでのライヴハウス公演16本の集大成となったNHKホール2days。ファイナルに相応しい激アツなライヴとなった。

客電が落ちると、オープニングSEと共にブルーの光が差し込む。その光は徐々に数を増していき真っ青な光がクールにステージを彩る。しかしきれいな景色に気を取られていると次々と様々な色の光が視覚に飛び込み刺激してきた。光に触発されるようにオーディエンスの声もどんどん大きくなり、メンバーが登場すると最大級の歓声が投げかけられた。
逹瑯が「アーユーファッキンレディー?マザーファッカー!」と絶叫してスタートしたのは1曲目「Mr.Liar」。大量に焚かれたストロボをバックに、全身を使ってパワフルなリズムを生み出すSATOち、飄々とした顔で極上の低音を奏でるYUKKE、へヴィな音を操りながら爆発的なシャウトを聴かせるミヤ。体の芯まで震わせる心地の良い音圧。轟音にフロアが揺れていた。

天井からスモークが降り注いだ「塗り潰すなら臙脂」に続いたのは手拍子でスタートした「G.G.」。LEDスクリーンに映像が投影され、ホールならではの演出を見せると、「アルカディア featuring DAISHI DANCE」でミラーボールが登場し、会場はさながらダンスホールの装いとなった。
「ニルヴァーナ」でのオーディエンスの合唱。約3000人の声に感じた温かみとオーディエンスの歌う姿を優しく見守る逹瑯の表情にギュッと心を掴まれた。

逹瑯が口を開く。
「“Shangri-La”ファイナルへようこそ。昨日と今日たくさん集まってくれてありがとう。もう明日のことは何も考えなくていいので、みんなは明日月曜日かもしれないけど(笑)、俺ら4人は明日のことなんて考えなくていいから、燃えカスになるまで暴れていこうと思います!」

逹瑯の雄叫びで始まったのは「ハニー」だ。手拍子で盛り上がるオーディエンスを煽るミヤのコーラス。ムックというバンドの味をまざまざと見せつける。YUKKEのアップライトベースがお目見えした「ピュアブラック」や、哀愁漂うギターに乗る逹瑯の声が印象的な「終着の鐘」、そして「夜空のクレパス」で映し出された星空や流れる雲、流星。映像美に魅せられていると、始まったのは「狂乱狂唱~21st Century Baby~」。可動式LEDスクリーンが四方に散らばり、上手に設置されたスクリーン上方に逹瑯の姿があった。瞬間移動でもしたかのように急に表れ度肝を抜かれた。しかもスクリーンはまるで空中に浮いているようでその上でスポットライトを客席に当てながら歌う逹瑯は、どこか異質な空気を放っていた。

「娼婦」でフロアを遊ばせた逹瑯が「15周年は終わっちゃうけど、16年目のムックにも期待していてください!」と告げると、ハーモニカを鳴らし「ファズ」がスタート。足を蹴り上げながらピョンピョン飛び跳ねる逹瑯。サビ終わりにドラムセットに駆け寄りアイコンタクトを交わすミヤ、YUKKE、SATOち。YUKKEのベースが心地良い「YOU & I」でミヤが「今だけここを目黒鹿鳴館にしちまおうぜ!」と煽りオーディエンスを沸かせると、間髪入れず「蘭鋳」をプレイ。バンドとファンの、音で結ばれた信頼関係を見せつけ、ラストに披露されたのは「シャングリラ」。ステージ後方からまばゆいほどの光が差し込み、ストロボライトと、頭上から降り注ぐスモークと相まって神々しい空間を作り上げていた。スクリーンには15年分の軌跡が映像として映し出され、この15年のムックの歩みを観る者の心に刻んだ。

アンコールで登場した4人はラフなTシャツ姿。「みんな知ってた?まだ6時前だって。みんなこのあとどうするの?ご飯行くの?俺らは打ち上げで酒飲む!」とおどけた表情で話す逹瑯。オーディエンスとの声の掛け合いを楽しんだり、蛍光塗料を塗って光る仕様にしたピックを投げて流れ星みたいに見せてみたりするYUKKE。「誰もスゲー怪我したりせずに15年やってこれてよかった」と笑顔を見せるミヤ。サンプラーを使って遊びながらケラケラ笑うSATOち。MCでの4人の優しい表情が、このツアーがいかに充実したものだったかを語りかけていた。

アンコール1曲目は「Marry You」。手にブーケを持ちながら歌う逹瑯。逹瑯とブーケ。何とも違和感を拭えない取り合わせだが、それが妙に可愛らしくオーディエンスをたぎらせたのは言うまでもない。客席に背を向けてブーケトスをしたときに起きた大きな歓声がそれを物語っていた。
ハッピーな時間のあとは、メロディアスなギターとゴリッとしたサウンドで空気をガラッと変えた「前へ」、重低音で響かせ、逹瑯のシャウトが突き刺さる「MAD YACK」と続き、アンコールの最後を飾ったのは「MOTHER」だ。色鮮やかな光に包まれ、伸びやかな声と充足感に溢れた4人の表情は、ツアーを完遂した喜びに満ち溢れていた。

昨年からスタートした15周年のアニバーサリーイヤーを走り抜き、このツアーでさらなる躍進を期待させたムック。こういう言い回しがふさわしいかはわからないが、“ムック然”とした圧巻のライヴパフォーマンスは身も心もすべて委ねたくなるような安心感に満ちていて、「ここが自らの居場所だ」と感じさせてくれる。
6月に行われる、“Shangri-La”ウラファイナルと名付けられた沖縄公演と10月からスタートするツアー「MUCC 2DAYS CIRCUIT 2013 “Hypnos & Thanatos”」でまたどんなふうに遊ばせてくれるか、楽しみでならない。

ムック「MUCC Tour 2013 “Shangri-La”」
2013年3月31日@NHKホール セットリスト

1. Mr. Liar
2. 塗り潰すなら臙脂
3. G.G.
4. アルカディア featuring DAISHI DANCE
5. ニルヴァーナ
6. ハニー
7. ネガティブダンサー
8. ピュアブラック
9. 終着の鐘
10. 夜空のクレパス
11. 狂乱狂唱~21st Century Baby~
12. 娼婦
13. ファズ
14. 風と太陽
15. YOU & I
16. 蘭鋳
17. シャングリラ

EN
1. Marry You
2. 前へ
3. MAD YACK
4. MOTHER