LIVE REPORT

バロック×vistlip

取材/文:なるまゆか 撮影:辻 洋   公開日:2013.05.09

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バロック vs vistlip 「reversion fruits」
2013.4.27(Sat)@SHIBUYA-AX

ゴールデンウィーク初日となった4月27日、バロックとvistlipの2マンツアー「reversion fruits」がファイナルを迎えた。大阪BIG CATを皮切りに計7本を回った本ツアー。V-SHELFではツアー直前に、圭(バロック)と海(vistlip)のスペシャルインタビューをお届けしたが、このインタビュー取材時に「絶対におもしろいものになるから期待していてください」と圭が発言したとおり、とても見ごたえのあるファイナルとなった。

先手はvistlip。オープニングSEが流れると強いストロボの光が目を襲う。楽器陣4人がステージに登場し、少し間を開けて最後に堂々と智が現れると、大きな歓声に包まれた。
「今日でツアーも最後だから!行けるか!」と煽って始まった1曲目は「SINDRA」。イントロが流れるとフロアから歓喜の声が上がった。跳ねるようなドラミングを見せるTohya、歌詞を口ずさみながら楽しそうにベースをプレイする瑠伊、ステージ際まで身を乗り出し熱く煽る海、鮮やかにギターソロを決めるYuh。力強くも繊細な智の歌声に包まれ、オーディエンスも笑顔を見せる。
赤い光と手拍子に迎えられた「瞳孔」はモッシュの渦を煽る海のシャウトが印象的。瑠伊もピックを口にくわえ指弾きしながら前に出てオーディエンスを扇動する。瑠伊のベースから始まる「想い出CG」も悪そうな音を見せながらサビメロの智の優しい声とのギャップがたまらない。ヘドバンの応酬でステージもフロアも熱く盛り上がった。

「ついにバロックとのツアーもファイナルを迎えて、寂しい気持ちでいっぱいだけど、両バンド、それにファンのみんなもお互いに歩み寄れたツアーだったと思います。またこんなツアーできたらいいね。このツアーは得るものがとても大きかったです。バロックは大先輩で、メンバーが近くに来るたびに“あーバロックだぁ”って思っちゃうくらいだったけど(笑)。彼らの曲からも思うことが多くて、それがこのツアーのタイトルに込められています。俺らの想いを赤裸々に込めた曲を次に届けます」
そう智が告げて始まったのは、浮遊感漂うサウンドが心地良い「inc.」だ。そこからは「CHIMERA」、「Light up」と最新シングルに収録された曲が続いた。「Light up」で「せーの!」と息を合わせ左右の立ち位置を入れ替わった海とYuhの動きが妙にかわいらしく印象に残っている。

「GLOSTER IMAGE」からは熱い攻めの姿勢で挑んだvistlip。「HEART ch.」、「偽善MASTER」とガッツリ暴れさせ、ラストはさらに激アツな「LION HEART」。ドラムに体を向け、Tohyaと顔を見合わせながら弾く瑠伊。冷静ながら内に秘めた熱を放出するYuhのギターサウンドに身を委ね、自由にマイクパフォーマンスを見せる海。とことん激情的な攻めで生まれた熱い渦に飲み込まれた会場の熱気はとても凄まじかった。

十二分に温まったオーディエンスたちに迎え入れられ登場したバロック。バックから差し込む強い光の中、圭のギターが響く。1曲目は「魔女と林檎」だ。怜の声がギュッとオーディエンスの心を掴み、一気にバロックの世界に引き込んでいくと、続く「ガリロン」ではイントロ終わりに怜と圭が顔を見合わせて同時にジャンプ。シンクロした動きにオーディエンスも高まりを見せる。
「モノドラマ」での圭のギターソロを聞きながら体を動かす怜。モニターに腰かけ、じっくりとフロアを見渡しながら、一人一人の顔を確認するように歌う怜の穏やかな表情がとても記憶に残っている。

「最高の日にしようね!全員でしような!暴れようか!行けるかい?」と煽り、スタートした「ザザ降り雨」。オーディエンスのヘドバンと赤いストロボの相乗効果で激しい形相を見せるなか、音に入り込んでギターをプレイする圭の表情が曲への想いを増幅させる。

「湿度」が終わると怜が口を開く。
「さっきTohyaとも楽屋で話してたんだけど、追加公演とかしたいよね。今すぐっていうのは約束できないけど、やりたいって思ってたら叶うと思うんだよね。みんなもそう思ったら気持ち届けて。そしたらきっと叶うと思う」

このツアーが楽しかった故にもっともっと遊んでいたい。そんな気持ちを言葉にして、「もっと遊ぼうか!遊ぼう!」と始まった「あなくろフィルム」ではおたまと鍋をカンカン鳴らしながら楽しそうに声を出す怜。続く「独楽」で、圭は口に含んだ水をフロアに吹いたり、床に膝をついて体を思いっきり反らしながらギターを弾いたり、ロック然としたギタリスト像を見せた。

「あなくろフィルム」、「独楽」、「我伐道」と畳み掛けたあとは、グリーンとブルーの光の調和のなか披露された「凛然アイデンティティ」、そしてラスト「teeny-tiny star」とピースフルにライヴを締め括ったバロック。怜が呼び込みvistlipメンバーが再登場すると、一人ずつこのツアーを完走した気持ちをコメントし、オーディエンスを含めての記念撮影が行われた。最後には全員で手を繋いでジャンプ。とても暖かい空気でツアーは終了した。

終演後、楽屋にて圭は、「今日は途中から個人的に悔しい結果になってしまったけど、このツアーは本当に刺激的で意味のあるものだった」と話してくれた。
ヴィジュアル系という大きな括りの中に共存するバロックとvistlip。このツアーで得た刺激をエネルギーに変え、これからまた素敵な楽曲を届けてくれることだろう。そして彼らの中に受け継がれている“遺伝子”はこれからさらに下の世代に受け継がれていくに違いない。受け継がれた“遺伝子”を持ったバンドたちの手でこのシーンがより活性化し、素晴らしい楽曲が多く生まれることを願ってやまない。

バロック vs vistlip 「reversion fruits」
2013.4.27(Sat)@SHIBUYA-AX

vistlip  セットリスト
1.SINDRA
2.瞳孔
3.closed auction
4.想い出CG
5.inc.
6.CHIMERA
7.Light up
8.Dead Cherry
9.GLOSTER IMAGE
10.HEART ch.
11.偽善MASTER
12.LION HEART

バロック セットリスト
1.魔女と林檎
2.ガリロン
3.モノドラマ
4.ザザ降り雨
5.メロウホロウ
6.湿度
7.あなくろフィルム
8.独楽
9.我伐道
10.何千何万何億の君への想い
11.凛然アイデンティティ
12.teeny-tiny star

 

圭(バロック)×海(vistlip)スペシャルインタビューはこちら