LIVE REPORT

DIAURA

取材/文:なるまゆか   公開日:2013.05.28

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DIAURA ONEMAN LIVE『Dictatorial Garden Akasaka』
5/18@赤坂BLITZ

ヴィジュアル系バンドにとって動員キャパシティという観点で1つの通過ポイントとなっている赤坂BLITZ。「過去を葬り去って新しくなったDIAURAを見せるステージにしたい」と以前のインタビューでyo-kaが話していたが、果たしてDIAURAがどんなステージを見せてくれるのか、5月18日はその真価が問われる日だった。

オープニングSEが鳴ると、ステージ後方に掲げられたバンドフラッグが光に染まる。松明に火が灯るとフロアからは感嘆の声が漏れ、スモークと赤い光に染め上げられたステージに楽器陣3人が登場するとその声はより一層大きくなった。強いバックライトに照らされ現れたyo-ka。天高くフラッグを掲げるその姿は凛とした強さに満ちていた。

ミニアルバム『REBORN』の幕開けを告げる「胎動」からライヴはスタート。yo-kaが「見せてくれよー!愚民共―!」と叫ぶと、オーディエンスもヘドバンでその声に応える。「to ENEMY」では、佳衣の煽り声が激しい楽曲に狂気性を添え、翔也もガンガン前に攻め入ってオーディエンスを見渡しながら鋼鉄のグルーブを聴かせる。続く「REBORN」では達也が体を激しく上下させながらエキサイティングなドラミングを見せると、職人気質な佳衣も頭を振り乱し、感情露わにプレイ。骨太なサウンドで頭からダークで激しいDIAURAの真髄を見せつけた。

「独裁の庭へようこそ。今日はこの赤坂BLITZをぶっ潰すつもりでいます。BLITZだけじゃ物足りねぇな。TBSまでぶっ壊しちまおうぜ!!暴れていこう!!今日、ここはDIAURAと愚民だけの空間。もっと狂っちまえ!!独裁の庭で遊びましょう!!」

yo-kaがオーディエンスを焚きつける。
激しいモッシュが起きた「DOGMA」、オーディエンスの一糸乱れぬ敬礼が印象的な「禁断領域」とオーディエンスを暴れさせ、自身も険しい表情を見せていたyo-kaだが、「カオスプレイ」では佳衣と背中を合わせて佳衣の頭をポンポンと叩きながら満面の笑みを見せた。佳衣もどこか照れくさそうに笑顔を見せ、笑い合う2人の姿は信頼に満ちていてとても温かい気持ちになった。
しかしその笑顔も束の間のこと。逆ダイゾーンではオーディエンスの姿を見ながらイカれた表情を見せ、「DEAR RULER」でyo-kaはお立ち台に膝をついて激しいヘドバンを見せたり、ジャケットをはだけさせたりしながら色気たっぷりにとことん攻め上げた。

前半の攻撃的なステージの空気を変えたのは「奈落の花」だ。スタンドマイクを強く握りしめ、情感豊かに言葉を投げかける。サウンドはダークで重たいが、メロディを紡ぐyo-kaの翳りのある声が非常に繊細で聴く者を一気に世界に引き込んだ。
「melt」でポップな面を見せると、「暴れていくぞ、愚民共!」と、ここからまた激しい形相でライヴを展開。4人全員が激しく頭を振りながらクオリティの高いパフォーマンスを見せ、DIAURAのスペックの高さを証明した。

初披露となった新曲「SIRIUS」。初披露とは思えないくらい馴染んでいた新曲に、以前yo-kaが「メンバーを信じてるし、愚民たちを信じてる」と話していたことを思い出した。これだけ対応力の高いオーディエンスは心強いに決まっている。「anti people」のコール&レスポンスでもオーディエンスは頼もしかった。フロアに水を振りまきながら煽るyo-kaはジャケットを脱ぎノースリーブ姿に。高まったテンションの元、フロアに降りると、上手、下手と動き回りながらオーディエンスを煽り、どこまでも貪欲に声を求めていく。爆発的な声でさらに高揚したyo-kaは「InferiorityComplex」で勢いよく客席にダイブ。気持ち良さそうな表情が今も脳裏に焼き付いている。

「4月に達也が加入して新体制になって、真新しい気持ちで活動してきたけど、これまでにはDIAURAが低迷したときもあって、堕ちるところまで堕ちたこともあった。でも達也と出会えて、『REBORN』という作品が生まれて、とても運命的だなって思ってる。俺には歌うことしかなくて、俺だけじゃなくて、俺たちにはDIAURAしかないんだよ。俺たちがいて、愚民共がいて、このステージに携わってくれるたくさんの人たちがいて、改めてDIAURAっていいなって、本当に幸せに思います。今日は来てくれてありがとう。DIAURAがいて、お前たちがいれば、ここは楽園なんだ。そんな想いを込めて作った曲、聴いてください」

yo-kaがそう告げて始まったのは「Garden of Eden」。DIAURAがこれから進んでいくための道標のようなこの曲。感極まって泣きそうなのを堪えながら、yo-kaの顔に浮かんだ穏やかな笑みが逆に涙を誘った。佳衣の頭を抱き寄せたり、翔也の肩を抱いたり、達也と笑いあったりする姿は、とても愛おしく、4人の強い繋がりを感じることができた。

感動に浸っていたのも刹那、モッシュで遊ばせる「Beautiful Creature」で一気に会場の温度を暴れモードに戻した。内側を抉るような強烈な低音を聴かせた翔也のベースソロや、yo-kaを照らすお立ち台の下から灯る赤いライトが妖しげな空気を醸し出すと、その勢いのまま本編ラスト「MASTER」に突入。「お前たちのマスターは誰だ?」のコールに声を振り絞り応えるオーディエンス。サビを合唱する様を見つめながら微笑むメンバーの表情がとても印象的だった。

アンコール。Tシャツ姿で登場した4人。「TERRORS」、「Judgement」、「EVER」と立て続けに披露しヴィジュアル系バンド然とした姿をまざまざと見せつけると、各メンバー、このライヴへの想いと愚民たちへの感謝の気持ちを告げた。
タオルをクルクル回しながらのモッシュを見せた「Ms.phyco」、オーディエンスの声と佳衣のギターソロが味わい深い「失翼の聖域」でライヴを締めくくると、yo-kaは「俺たちとお前たちの楽園はいつでもここにあるから。いつまでもついてきてください!今夜は本当にありがとう!」と言ってステージを後にした。達也、翔也、佳衣も笑顔を見せ深く一礼しステージを去った。惜しむような歓声に包まれ、赤坂陥落の夜は幕を閉じた。

メンバーが去ったステージに降りてきたスクリーンに映し出されたのは、“2013年12月29日 渋谷公会堂”の文字。
赤坂BLITZのステージに立った彼らの次の目的地は渋谷公会堂。“渋谷公会堂”の文字に驚きの声が上がるなか、「やっぱり」と、妙に納得してしまったことは否めない。不思議とDIAURAの未来は予測ができていた。というのも、少しずつキャパを上げて動員を増やしていく、もちろんそれも正しい選択だろうが、DIAURAにそれは似合わないからだ。常に刺激を与えるサプライズ性と、呆れるほどのチャレンジ性がないDIAURAは何だか物足りない。それは、見ている側だけではなく当事者たちもそうなのではないだろうか。自分たちに高い目標を課すことで自らのハングリー精神を煽っているように思えて仕方ない。
「無謀すぎて笑われるかもしれないけど、やっぱりやるならとことんやりたい」
終演後そんなふうに話してくれたyo-kaの目は非常に頼もしく、「きっとやれる」と、DIAURAへの信頼をより一層高めてくれた。

赤坂BLITZでこれだけのパフォーマンスを見せられたDIAURAなら、彼らがこれから歩いていく未来は光り輝いているに違いない。ただ、彼らが目指す未来は4人だけの力で叶うことはない。これからさらに大きくなるであろう楽園には愚民たちの存在が必要不可欠だ。
「DIAURAがいて、お前たちがいれば、ここは楽園なんだ」
yo-kaの言葉が胸に響いている。

 

DIAURA  ONEMAN LIVE『Dictatorial Garden Akasaka』
5/18@赤坂BLITZ  セットリスト
1.胎動
2.to ENEMY
3.REBORN
4.DOGMA
5.禁断領域
6.カオスプレイ
7.DEAR RULER
8.奈落の花
9.melt
10.SISTER
11.evil
12.SIRIUS
13.anti people
14.InferiorityComplex
15.Garden of Eden
16.Beautiful Creature
17.MASTER

EN
1.TERRORS
2.Judgement
3.EVER
4.Ms.phyco
5.失翼の聖域