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ギルガメッシュ

取材/文:なるまゆか   公開日:2013.10.24

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ギルガメッシュ ONEMAN LIVE「G#」@SHIBUYA-AX 

ギルガメッシュ ONEMAN LIVE「G#」@SHIBUYA-AX。ついに待ちに待ったこの日が来た。ギルガメッシュのワンマンライヴは、昨年の大雨の日比谷野外大音楽堂での公演以来。実に1年の月日が経っていた。
ほぼ定刻に客電が落ちるとステージに設置された幕にライヴタイトルが映し出された。タイトルに続き4人のシルエットが浮かび上がるとオーディエンスの声が上がった。下から突き上げるような凄まじい声から、いかにこの日を楽しみにしていたかが伝わってくる。シルエットに続いて浮かんだのは、「IT’S MONSTER」の文字。幕の後ろから激しく点滅するストロボライトがモンスターたちを待ちわびるオーディエンスをさらに焚きつけた。

SEが止み、訪れた一瞬の静寂を劈くドラムの音と左迅の力強いシャウトで一気に幕が落ちた。1曲目はニューアルバム『MONSTER』に収録されている「Drain」だ。カラフルなムービングライトが照らすステージには、びっしり並べられたマーシャルのキャビネット。キャビネットの上に積まれた4灯ライトがメンバーを強い光で照らし、美しいシルエットを演出していた。
センターで堂々と声を張り、眼光鋭く扇動する左迅、手拍子で煽りながら軽快な動きでギターを奏でる弐、対照的に黙々とハイレベルな重低音を響かせる愁、ノースリーブで鍛え上げられた筋肉を見せつけながらリズムを刻むЯyo。4人のバンド然とした凛々しい姿はとても頼もしかった。

新曲とは思えない盛り上がりを見せると、左迅が叫ぶ。
「Are you ready?渋谷!!暴れる準備はできてるかー!!」
左迅の声に拳を突き上げるオーディエンス。「お前に捧げる醜い声」、「アングリージュース」と飛ばしていくと初っ端からとてつもないパワーを発していたオーディエンスの声がさらにさらに大きくなった。その声の大きさは、「これだけみんな待っていたんだな」と思えてウルッときたほど。

ジャケットを脱ぎTシャツ姿になった左迅が口を開いた。

「1年振りのワンマンライヴ、「G♯」へようこそ!ギルガメッシュは活動休止をしていて、今日再びステージに戻ってきました。これだけの人たちがギルガメッシュを待っていてくれてたんだなって、今とても実感してます。待っていてくれてありがとう!活動休止の間、俺たちもフラストレーションが溜まっていて、きっとみんなも色々溜まってるでしょ?今日はそんなお互いのフラストレーションを吐き出して、とびきりの熱い夜にしましょう!」

9月にリリースされたシングル曲「INCOMPLETE」に続いた「CRAZY-FLAG」。軽やかなステップを見せながらギターを弾いていた弐はドラム台に上がってЯyoとアイコンタクトを交わすと、同様に上がってきた愁とのバトルを楽しんだ。オーディエンスを思いっきり跳ねさせた「MISSION CODE」、抉るように体内に入り込んでくる愁のベースが秀逸な「Vision」に続いたのは「bit crash」。メンバーの掛け声よりも遥かに大きくフロアに響くオーディエンスの声は、溜めこんでいたエネルギーを爆発させているようだった。

「INCOMPLETE」に収録されている「takt」のイントロが鳴ると「おぉ!」とフロアから感嘆の声が漏れた。勢いのあるサウンドでは見ることのできない彼らの表情。情感たっぷりに歌い上げる左迅の声がグッと胸を打つ。続く新曲「Resolution」。左迅が「俺たちの歌、届いてるかー!!」と叫ぶと、弐がギターソロで魅せ、オーディエンスも耳馴染みのよいメロディに包まれ、心地よさそうに音に身を預けていた。
「いつもはライヴが終わったあとにスクリーンで色々な発表をしてるけど、今日は久しぶりのワンマンライヴなので、自分の口で発表したいって、スタッフにわがままを聞いてもらいました」と左迅の口から、ベストアルバムのリリース、そして来年4月から全国ツアーが開催されることが告知されると、久しぶりのツアー決定に会場は大盛り上がり。たっぷりの熱を帯びて後半戦へ。

「遮断」、そして新曲の「antlion pit」を披露すると、「DIRTY STORY」からはギルガメサウンドの本領発揮といわんばかりに、とことんラウドに、とことん楽しく、みんなで叫び、踊り、拳を突き上げ、最高にロックな空間を作り上げた。本編ラストに演奏された「Never Ending Story」では、フロアの至るところにモッシュピットができ、楽しそうにクルクルと回るオーディエンスの姿があった。ステージからフロアを見渡しながら笑う左迅の表情がとても印象に残っている。

アンコール。
「ギルガメッシュは来年2014年に10周年を迎えます。そして俺と弐さんと愁さんが30歳になります。ちょうど人生の1/3、ギルガメッシュとして歩んできました。振り返ってみると長いようで、でもあっという間の時間で、色々な問題もあって辛いこともあって、壁にぶつかったり、葛藤があったりしたけど、こうやってステージに戻ってこられたのは、自分を信じて諦めなかったからです。みんなも日々生きていくなかで色々あると思うけど、自分を信じて諦めなければ絶対に困難は乗り越えられます。そう信じてます。そう願ってます。そんな想いを込めた新曲、聴いてください!」

演奏された新曲「Another way」は左迅の言葉通り、背中を押してくれるような強いメッセージが込められた楽曲。歌い終わり、左迅が「今日がギルガメッシュの再出発の日です!」と叫ぶと、ラスト「evolution」へ。ステージとフロア。そんな境目を感じさせないほど、全員が力の限り暴れ、叫び、想いのすべてをこの曲にぶつける様は非常に清々しく、最高にかっこいいギルガメッシュのあるべき姿であった。

楽器陣が袖に捌け、ステージに一人残った左迅は、「一番言いたかったことを最後に叫んでいいですか?」と告げるとマイクを置いて大きな声で叫んだ。

「ただいま!!」

すぐさまフロアからは大きな声が返ってきた。

「おかえり!!」

その声を聞き、満足そうな笑顔を見せた左迅は、ゆっくりとステージを後にした。

ライヴタイトル「G#」に込められた意味、“レベルアップし進化したギルガメッシュ”をしっかりと見せつけてくれた素晴らしいステージは、待っていた時間にも意味があったんだと思わせてくれた。
活動を止めた期間は解散という言葉がよぎるくらい、お互いにぶつかりあいながら、自分たちの音、自分たちの進むべき道を模索し、自分、そしてバンドを見つめ直す時間だった。その時間を経て完成したニューアルバム『MONSTER』は、この日披露された曲たちからもわかるように、4人の強固な決意と揺るぎない信念が詰め込まれた作品である。
MCで「自分を信じて諦めなかったからステージに戻ってこられた」と言った左迅。“諦めずに乗り越えた”という経験値を手に入れた彼らの強さは、10周年のアニバーサリーイヤーに突入する来年、さらに見せつけられることだろう。期待して待ちたい。

ギルガメッシュ ONEMAN LIVE「G#」@SHIBUYA-AX セットリスト
SE.Intro
1.Drain
2.お前に捧げる醜い声
3.アングリージュース
4.INCOMPLETE
5.CRAZY-FLAG
6.MISSION CODE
7.Vision
8.bit crash
9.ULTIMATE4
10.takt
11.Resolution
12.遮断
13.antlion pit
14.DIRTY STORY
15.smash!!
16.絶頂BANG!!
17.Never ending story

EN1.Another way
EN2.evolution