LIVE REPORT

DIAURA

取材/文:なるまゆか   公開日:2014.01.10

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DIAURA 「完全独裁領域渋谷公会堂」
2013.12.29@渋谷公会堂

2013年12月29日、DIAURAが渋谷公会堂の大舞台に挑んだ。
SEに合わせてストロボの点滅が始まると、達也、翔也、佳衣と順番にメンバーが登場。上手下手の上方に設置されていた3つのバンドフラッグが一人ひとりの登場に合わせて降りてくる。強いバックライトで3人のシルエットが浮かび上がるとセンター後方にスポットライトが当たりyo-kaが登場した。
DIAURAの掲げる“独裁”を象徴する曲、「DICTATOR」からライヴはスタート。
「この日完全なる独裁を!お前たちの心の声を聴かせてくれ!さあ始めようか、愚民共!」
大きなフラッグを掲げ堂々と姿を現したyo-kaがフロアを見渡し口を開くと、バックに映像が流れ、カラフルなムービングライトがステージを染め6灯のスモークが立ち上る。意表をついた選曲にオーディエンスは歓喜の声を上げ、強く拳を振り上げた。

「揺らしていこう!愚民共!」と、強い扇動の声で始まったのは12月にリリースされたニューアルバム『FOCUS』の1曲目である「Code:0」。ドラムを叩きながら上方を見つめ天を仰ぐ達也の仕草がとことん絶望に振り切ったこの曲を象徴しているようだった。
続いたのは「DIAURAの答えでもある」と以前のインタビューでyo-kaが言っていた「TRIGGER」。十字架に磔にされたかのような様相で頭を振るyo-ka。佳衣と翔也もオーディエンスを煽りフロアの熱を上げていく。

「完全独裁領域へようこそ、愚民共!今日この場所は俺たちDIAURAとお前たち愚民に許された空間。素晴らしく、最高に幸せな独裁に満ちた俺たちの色で塗り替えてやりましょう。ここは何よりも自由であるべき場所。お前たちそれぞれが抱える想いを俺たちがいるステージまで届けてください。お前たちのすべてを見せてくれ!」
yo-kaの言葉にありったけの声で応えるオーディエンス。「Cult」でさらにテンションは高まり、「カオスプレイ」、「赤い虚像」と熱いライヴを展開していった。

「Invisible」でyo-kaはお立ち台に仰向けになって声を届けた。心の奥底に眠る鬱々とした感情を吐き出すようなサウンドは聴き手の内側を容赦なく抉ってくる。「The Redemption」でも重く深い世界を体全体で表現。映像に映し出された蝋燭の炎やビシビシ光る稲光がとても印象的で、自らの頭を指差しながらフロアを見渡すyo-kaの表情は狂気に満ちていた。

メンバーが一度ステージから捌けるとスクリーンに映像が流れた。「TABOO」が会場に響くと黒のマントを身に纏い、頭がすっぽりとフードに覆われた姿でメンバーが再登場。ステージ上の松明が灯り、炎が揺れる。揺れる炎がオリエンタルなサウンドが持つ艶めかしさをより強調し、曲の味わいを増幅させた。
そこから「禁示録」、「胎動」とダークな色で染めていくと、「anti people」のイントロが鳴った。yo-kaは「さあ渋谷公会堂!破壊しよう!お前たちの力を見せつけてくれ!」とオーディエンスを焚きつけると、そのままフロアへ降りてオーディエンスの感情を衝き動かしていく。佳衣、翔也はお立ち台に上がったり、ドラム台に上がったり、自由にステージを動き回り、達也も声を上げながら跳ねるように激しいドラミングを見せた。

「この曲が生まれたことで光が差した。今日この日まで光を失わずにお前たちと一緒に歩いてこられた。今年のDIAURAを象徴する曲です」
そうyo-kaが告げ演奏したのは「SIRIUS」、そして「Lily」。両手を広げ天を仰ぐyo-kaの姿は、同じ天を仰ぐ仕草でも「Code:0」で達也が見せたものとは明らかに違う。光を求めて手を伸ばせるようになった。絶望から希望の光が差した。彼らが求め続ける光の在り処を指し示しているような動き。

その光の正体は、本編ラストに演奏された「イノセント」にあった。
“限られた空の下、降り注ぐ灰の雨に打たれていたい 閉ざされた籠の中、憧れた光にそっと手を伸ばす”……会場に響くオーディエンスの美しい合唱。声を張り上げて歌うその姿は、まさしく彼らが求めた光の射す景色。何物にも代えがたい素晴らしい景色を見ながらyo-kaは「ありがとう」と何度も繰り返した。

アンコール。「TERRORS」、「Beautiful Creature」を演奏すると、メンバーそれぞれ渋谷公会堂のステージに立てた喜びと感謝を口にした。
拍手と声援で温かい空気を纏った会場に佳衣のアコースティックギターが響いた。この日のためにとっておいた特別な一曲、「Lost rain~失いの雨、その記憶との共生~」だ。DIAURAの持つ秀逸なメロディセンスが発揮された感動的なバラード。繊細な音がしっとりと会場を包んだ。
「DOGMA」で会場の温度を再び上げ、アンコールを締めくくったのは「Garden of Eden」。
「今日という日を刻みこんでこれから先、もっともっと共に生きていきましょう。俺たちの楽園をずっと探していきましょう!」
yo-kaの言葉が胸を打つ。銀テープがパーンッと舞ったときの美しい光景は涙を誘うには十分すぎた。感涙に咽ぶ愚民たちを見てメンバーも目を潤ませている。壮大かつ開放的なサウンドが美しいこの曲は渋谷公会堂の広い空間がとてもよく似合う。

多くの声に呼び戻されたダブルアンコールでは「an Insanity」、そしてDIAURAの始まりの曲である「失翼の聖域」が演奏された。

バンドは生き物である故に、成長もするし進化もする。その成長と進化は時として“変化”として捉えられてしまうこともある。しかし彼らの芯となる部分は何一つ変わっていない。「失翼の聖域」はその証明でもあった。
「失翼の聖域」の歌詞、“今、二人だけの空を目指そう 光射す方へ”
DIAURAの根幹である、光を求める姿勢は、時が経とうと、どんなステージに立とうと変わることはない。その想いの象徴として最後にこの曲が選ばれたのだ。
彼らは渋谷公会堂で、変わることのないDIAURAの本質を堂々と見せつけた。

本編、「砂上の夢」の前にyo-kaはこんな言葉をオーディエンスに残した。

「罵られて否定されて、それでも信じてきた景色があって。その一つがここ、渋谷公会堂です。この景色がすべてなんだ。ずっと曲げずにブレずに、迷っても立ちあがって、もがいて探して、そして道を見つけて。そこにはいつもお前たちがいた。だから今日ここに俺たちはいられるんだ」

罵られて否定されて、それでもなお自分たちが信じる道を真っ直ぐに進んでいく姿は、ときに不器用に見えるかもしれない。ときに滑稽に感じるかもしれない。それでも彼らは歩き続ける。1人では辿り着けない、4人と愚民たちの力で辿りつける光に満ちた楽園を目指して。

DIAURAにとって最高キャパシティ、そして初めてのホールワンマン。緊張とプレッシャーはもちろんあっただろう。しかしそれを超える強い信念が映し出された見事なライヴであったことは間違いない。ただ、DIAURAはまだまだやれる。それが終演後の率直な感想だった。それはもちろん物足りなさを意味しているわけではない。DIAURAならもっともっと素晴らしい景色を見せてくれるだろうという期待と可能性を感じるライヴだったということだ。
彼らのネクストステージは「47都道府県単独公演」。果たしてどんな姿を見せてくれるのか。彼らの未来が楽しみでならない。

DIAURA 「完全独裁領域渋谷公会堂」
2013.12.29@渋谷公会堂 セットリスト
1.DICTATOR
2.Code:0
3.TRIGGER
4.Cult
5.カオスプレイ
6.赤い虚像
7.Sleeping beauty
8.Invisible
9.The Redemption
10.TABOO
11.禁示録
12.胎動
13.anti people
14.SIRIUS
15.Lily
16.砂上の夢
17.deadly number
18.MASTER
19.イノセント

EN1.TERRORS
EN2.Beautiful Creature
EN3.Lost rain~失いの雨、その記憶との共生~
EN4.DOGMA
EN5.Garden of Eden

WEN1.an Insanity
WEN2.失翼の聖域