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Chanty

取材/文:なるまゆか   公開日:2015.05.25

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「あら雨かしら?相合傘の中へようこそワンマンツアー」~野中拓生誕祭~
2015.5.17(日)池袋EDGE

Chantyの初となるワンマンツアー、「あら雨かしら?相合傘の中へようこそワンマンツアー」が5月17日、開幕した。
初日が行われたのは1stワンマンライヴを行った池袋EDGE。この日は野中拓の生誕祭も兼ねており、思い出の地で、お祝いムード一色の温かいライヴとなった。

開演前、会場にはツアータイトルの“あら雨かしら?”に合わせて雨音が流れていた。強くなったり弱くなったりする雨音は開演を待つドキドキ感に呼応しているよう。
定時を少し過ぎ暗転。幕が開くと真っ青な光が目に飛び込んできた。バックライトの強い光に目が慣れた頃、SEに合わせてストロボが点滅。それを合図にメンバーが登場した。
1曲目は、このツアーのファイナル公演(6/27@新宿ReNY)での音源無料配布が決まった「奏色」。気合い漲る音のパワーは今まで見てきた彼らのライヴのなかでピカイチ。ワンマンライヴは約8ヶ月振りだったが、その間にイベントで鍛え上げたバンド力を証明するような、ギュッと濃縮した音の塊に驚かされた。

ノリの良いポップチューン「おとなりさん」、芥の荒々しい声が刺さる「絶対存在証明証」と、オーディエンスを暴れさせると、「ここまで声を届けてください!」と芥が告げ、「フライト」へ。ニコニコと笑顔を見せながらパワフルな音を響かせる野中拓、対照的に世界に入り込み精巧な音を奏でる千歳、そしてオーディエンスを煽りながら伸びやかなギターを響かせるshia.。成人は体を跳ねさせ歌詞を口ずさみながらキレのあるドラムを聴かせていく。

「フライト」が終わり、芥がオーディエンスを促すと、この日の主役を祝うように“野中コール”が起きた。みんなに名前を呼ばれ、照れくさそうに笑う野中の頭をポンポンと愛でる芥の嬉しそうな表情がとても印象的。そんな2人の姿を見ながらshia.、千歳、成人も楽しそうに笑っていた。

そこからバラード曲「とある星空の下」へ。神秘的なアルペジオでしっとりと聴かせる時間…と思いきや、芥は、「とある星空の下」のメロディに乗せて「ハッピーバースデイ、野中拓♪」と歌い出した。サプライズに顔をクシャクシャにして笑う野中。
曲が止まるとケーキが登場し、みんなでバースデーをお祝い。ろうそくの火を吹き消し、ケーキをパクッと一口頬張った野中は、「祝われるのは苦手。メチャクチャ嬉しいけど、恥ずかしくてどんなリアクションしていいかわかんない」と、照れの極致だった。

お祝いを終え、「とある星空の下」を仕切り直すと、サイケデリックな光で刺激的に魅せた「ダイアリー」、リズム隊の空間演出が秀逸な「monorium」、“にゃー!”という遊び心たっぷりのコールがかわいらしい「にゃこのテーマ」、そして、モッシュ&タオル回しで大騒ぎの「「C」」と続いた。

後半戦、この日初披露となった「ひどいかお2」で、オーディエンスをセンターから半分に分けてモッシュ祭りになると、さらにそこから「真相」、「衝動的少女」と攻めの楽曲が続く。芥が 「野中くん、せっかくの誕生日なんだから、このまま何もせずに終わるわけないよね?」と野中を煽ると、野中は仕方なさげにベースを芥に渡し、フロアに降りた。野中がオーディエンスに囲まれると、「やんなっちゃう」のイントロで一気にモッシュがスタート。オーディエンスに揉みくちゃにされた野中は、「俺じゃなかったら大変なことになってた。みんなのパワーすごい!」と言って顔をほころばせていた。

野中がステージに戻り、改めて「やんなっちゃう」を披露すると、ラスト「赤い糸」へ。
ここで終わるはずが、芥は曲が終わるとすかさずメンバーのもとに駆け寄りひそひそと耳打ち。4人のもとを周り立ち位置に戻ってきた芥は、「アンパンマン体操やります!」と一言。Chantyのライヴではもはやお馴染み、と言っても過言ではない「アンパンマン体操」でツアー初日を締めくくった。
最後まで残った野中は、「ありがとう」と一言残し、最高の笑顔を見せながら、ステージをあとにした。誕生日というスペシャルなおまけが付いたライヴは、愛情溢れる、温もりに満ちた幸せな時間となった。

ゆるっとふわっとしながらちゃっかりオーディエンスの心を奪い、隣に寄り添い続けるバンド、それがChantyである。この日も、荒削りな部分はあれど、パワフルな演奏でガッチリ心を掴んだり、かわいらしい笑顔でキュンとさせたり、様々な表情で楽しませ、ツアータイトルの“相合傘”のようにオーディエンスに寄り添い、Chantyの世界で包み込んだ。
初のフルアルバム『Chantyの世界へようこそ』に収録された曲たちは、癖のあるアクの強いものばかり。この曲たちがこのツアーを経てどのように育っていくのか、非常に楽しみである。初めてだらけのこのツアーが、彼らにとって未来に繋がる素敵なものになることを切に願う。

 

「あら雨かしら?相合傘の中へようこそワンマンツアー」
~野中拓生誕祭~

2015.5.17(日)池袋EDGE セットリスト
1.奏色
2.おとなりさん
3.絶対存在証明証
4.フライト
5.とある星空の下
6.ダイアリー
7. monorium
8.にゃこのテーマ
9.「C」
10.パセリ
11.ひどいかお
12.ひどいかお2
13.真相
14.衝動的少女
15.やんなっちゃう
16.赤い糸
17.アンパンマン体操
18.お粗末