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MERRY

取材/文:なるまゆか   公開日:2012.12.10

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MERRY VERY BEST~Special 2night【白い羊】【黒い羊】~
11月30日@赤坂BLITZ

冬の訪れを感じられる気候になった11月30日、MERRY VERY BEST~Special 2night【白い羊】【黒い羊】~が赤坂BLITZにて行われた。
聴かせる歌モノを取り揃えた【白い羊】と、ライヴで騒げる激しい楽曲を集めた【黒い羊】。MERRYの二面性を色濃く表現したこのコンセプチュアルライヴは、名古屋、岡山、大阪公演を経て、ファイナル東京公演を迎えた。

昼夜二回公演となる本公演。【白い羊】は着席スタイル(一部はスタンディング)で、ドレスコードが設けられている。客席には思い思いにドレスアップしたファンの姿。普段のライヴとは違った趣きで開演を待ちわびていた。

「六本木ジャジー喫茶」が流れ、メンバーが登場。いつものような歓声ではなく拍手で迎え入れられた5人はビシッとスーツで決めている。
1曲目は「東京テレホン」。結生がキーボードを演奏する姿はとても新鮮に目に映る。前に出てきたネロがカホンに座り、結生はキーボードからアコースティックギターに持ち替え「チック・タック」を披露。「恋哀交差点」「日ノ出町、街角ツンデレラ~2番ホーム篇~」と歌モノが続いた後に演奏されたのは「溺愛の水槽」。【白い羊】でしか聴くことのできない特別なアレンジだ。

ステージ中央にセッティングされた椅子に腰かけたり、天井からぶら下がった白熱灯を弄ったり、雰囲気を楽しみながら情感たっぷりに歌うガラ。一音一音丁寧に音を紡いでいく結生と黙々と世界に入り込んで奏でる健一。アップライトベースを艶やかに操るテツ、そしてパワフルなプレイとは違う個性溢れるドラミングを見せるネロ。いつもと違った空気だが、MERRYの豊かな色彩に染められたステージにオーディエンスもじっと聞き入り、世界に入り込んでいた。

意外だったのは、「窓」や「絶望」といった“黒”サイドであろう楽曲が“白”で演奏されたことだ。「絶望」のリアレンジには本当に驚かされた。普段のライヴで盛り上げに欠かせない激しさを持った曲がこんなにも繊細な一面を持っていたとは。改めてMERRYの楽曲の魅力の虜になってしまった。

アンコールは、この時期になると無性に聴きたくなる「冬のカスタネット」からスタート。ガラの少し掠れた声と雪の演出が相まって美しい情景を作り上げると一転、続いた「不均衡キネマ」ではネロがオーディエンスを煽りながらフロアを走り回るという一幕も。ラストはシアトリカルなパフォーマンスを見せた「赤い靴」。曲の終わりに近づくと左右から幕が降り始め、視界に入るのはガラの姿のみ。ガラは白い花びらをばらまきながら、「さようならー!!」と絶叫し、【白い羊】は幕を閉じた。

続いて【黒い羊】。ドレスアップした【白い羊】から一転、会場に入ってみるとTシャツ姿のオーディエンスがビッシリとフロアを埋め尽くしていた。ステージに目をやると、学習机の後ろに白く大きな球体が置かれている。
「GI:GO」が流れるとフロアからヴォイヴォイと太い声が響きはじめ、楽器隊4人が登場。ストロボの光の点滅が加速するとバーンと球体が割れ、ガラが現れた。
「今こそ日本に革命を!」と始まった1曲目「愛国行進曲」。【白い羊】で大人しくしていた分の反動か、メンバーもオーディエンスも弾けっぷりが凄まじい。「 ロストジェネレーション -replay-」「ハライソ」「 愛国弐~BURST~」と畳み掛けられ、4曲が終わった時点での充足感は相当なもの。これでもかと攻める姿勢、破壊力に満ちた曲の並びこそ【黒い羊】の味わいである。

「演説~シュールレアリズム~」でウサギの被り物姿で拡声器を使って絶叫するガラ。続く「[human farm]」、「Midnight Shangrila」では最前柵に足をかけフロアに身を乗り出しながら「もっと突っ込んでこいよ!遠慮するな!」とガンガンオーディエンスを煽っていく。
ドラムソロを挟み、「不均衡キネマ」「絶望」「夜光」と【白い羊】でも演奏された3曲が並んだ。同じ楽曲でありながらも白と黒で違った顔を見せるMERRYの楽曲。スピードに乗る良質なメロディと音の深み。多面的な魅力が備わっていることをまざまざと見せつけられる。

2010年にリリースされたTHE BLUE HEARTSのトリビュートアルバム『THE BLUE HEARTS “25th Anniversary”TRIBUTE』に収録されている「皆殺しのメロディー」も披露された。「もっとバカになれるか!?バカになれー!」と叫びながら歌うガラと、その声に応えさらに加速するフロア。勢いそのままに「stupid×cupid」で真っ赤なパンツを振り回しながらガラの言葉通り“バカ”になって暴れる姿は見ていてとても清々しい。

異様なまでの熱を帯びて本編を駆け抜けた5人はアンコールでも攻撃の手は休めなかった。「【collector】」、「Carnival」、「オリエンタルBLサーカス」ととことん激しく魅せると、再度登場したダブルアンコールで「群青」を披露した。【白い羊】で演奏された“聴かせる”「群青」はジーンと染み入るように、歌詞に胸を打たれた。一方の【黒い羊】の演奏は、これからのMERRYを高らかに宣言するように力強く、とてつもない輝きを放っていた。
二部で構成されたボリューミーなライヴのラストを飾ったのは「バイオレットハレンチ」。初期からライヴを彩ってきた大切な曲。最後の力を振り絞って全身全霊でプレイするメンバー。オーディエンスも、すべてをステージにぶつけるように暴れ、汗を振りまく。4月に行われたZepp Tokyoでのライヴでも感じたことだが、MERRYを照らし続けてくれたファンの存在はとてつもなく大きい。MERRYを全身で楽しむ姿をからはMERRYへの溢れるほどの愛情を感じられる。

ライヴが終演すると、スクリーンに来年2月6日にリリースされる新曲「梟」のMVが映し出された。崖の上で演奏するシーンで空撮を取り入れるなど、豪華でかっこいいこのMVにオーディエンスは感嘆の声を上げ、シーンが転換するたびに会場は沸いた。来年のMERRYもおもしろくなるに違いない。そう思わせてくれた新曲「梟」。MERRYの2013年がとにかく楽しみで仕方ない。

MERRY
MERRY VERY BEST
11/30(金) 赤坂BLITZ ~Special 2night【白い羊】~

SE 六本木ジャジー喫茶
01 東京テレホン
02 チック・タック
03 恋哀交差点
04 日ノ出町、街角ツンデレラ~2番ホーム篇~
05 溺愛の水槽
06 高層ビルの上でラストダンス
07 さよなら雨(レイン)~リバース~
08 黒い虹
09 BLUESCAT
10 黄昏レストラン
11 ザァーザァー
12 R-246
13 窓
14 夜光
15 絶望
16 やさしさ・キッド
17 「東京に降る雪、、、」
18 林檎と嘘
19 群青
20 そして、遠い夢のまた夢

ENCORE
01 冬のカスタネット
02 不均衡キネマ
03 赤い靴

MERRY
MERRY VERY BEST
11/30(金) 赤坂BLITZ ~Special 2night【黒い羊】~

SE GI・GO
01 愛国行進曲
02 ロストジェネレーション -replay-
03 ハライソ
04 愛国弐~BURST~
05 首吊りロンド
06 ビニ本2丁目八千代館
07 月食
08 演説~シュールレアリズム~
09 [human farm]
10 Midnight Shangrila
<Dr solo>
11 不均衡キネマ
12 絶望
13 夜光
14 finale
15 皆殺しのメロディー
16 stupid×cupid
17 妄想rendez-vous
18 閉ざされた楽園

ENCORE 1
01 【collector】
02 Carnival
03 オリエンタルBLサーカス

ENCORE 2
01 群青
02 バイオレットハレンチ